第129回JOAコロキウム 報告

日 時:2013年4月24日(水)18:00-20:00 (注意:定例の第3水曜日ではありません)

場 所:「新中野切手サロン」 (地下鉄丸ノ内線「新中野」下車、4番出口 徒歩1分 ローソンのあるビル・ボニータビル6F)

テーマ:映像で見るオリンピックの歴史

内 容:①1992年バルセロナ大会の開会式(NHKの放映:日本語 3時間強の前半)

・前半:1992年ソウル大会の開会式の国際映像の前半を観ました。以前観ているのですが、あまり覚えがありません。NHKの工藤三郎アナ、平野次郎、福島敦子両キャスターの懐かしい声が聞こえました。ゲストはソウル大会金メダリストの鈴木大地。さすが芸術の国スペインの開会式の文化プログラム、標語の「伝統から芸術へ」をうまく描いていきます。平野キャスターがバルセロナの文化的・歴史的特徴をわかりやすく解説していきます。先ず、HOLAのパートで歓迎し、カラフルでモダンな衣装がふんだんに登場します。地中海の青、太陽の黄色、大地の赤です。マラソンを題材にしたパントマイム、サルダーニャの伝統舞踊。たくさんの踊りと音楽とパフォーマーたちが登場しました。3大テノールの1人ホセ・カレーラスの登場とプラシド・ドミンゴ他、多くのオペラ歌手が登場しました。フラメンコの女性は馬に乗って登場。セビリアの踊りです。ソウル大会で問題になったのが、生きた鳩の放鳩でしたが、このバルセロナでも生きた鳩を飛ばしていました。驚きでした。坂本龍一は「地中海」のパートで作曲を任され、開会式の1週間まえにようやく曲が完成したとのこと。彼の指揮ぶりも何度も映し出されていました。このパートはバルセロナ市の誕生のパフォーマンス。スタンドの観客も一緒になって演じました。物語はヘラクレスの怪物退治、地中海とバルセロナ誕生のストーリーが壮大に演じられました。怪物は飢え、病気、戦争の象徴、ヘラクレスは文明の象徴なのです。文明が勝利し、バルセロナが誕生したという物語です。

・後半:若手研究者による情報提

黒須朱莉さん「近代オリンピックにおける国歌国旗廃止案について:研究成果報告①
IOCブランデージ会長(1952-1972)の本廃止案の提案に着目した続報です。1953年から1957年の国歌廃止案の提案期。IFs、IOC総会での国歌廃止案の支持の広がり、さらに進んで1965年-1968年の国歌・国旗廃止案の提起と支持の広がりという時代区分の元、第2期までが今回の報告。ブランデー時会長の判断の揺らぎとスポーツ界の変容を情報提供してくれました。愛国主義とナショナリズムの違いや、IfsとNOCsのスタンスの差など、まだ興味深い論点がありそうです。続報を乞うご期待!

・居酒屋談義:終了後はいつものように居酒屋談義、少人数ながら話題は尽きませんね。