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<2006年のJOAコロキウム>

■第54回 JOAコロキウム 開催要項と報告
日 時:2006年 12月 8日(水) 18:00−20:15
場 所:クラブツーリズム(地下鉄丸ノ内線「西新宿」駅、アイランドウイング 13F B会場)
テーマ:BBCが捉えたオリンピック問題
題 材:@NHKプライム10(BBC制作;1992年)「誰のためのスポーツか?」 4.TV支配(約45分)
     ANHK(1996年)「スポーツとメディア:テレビがスポーツを変える」(約45分)
参加者:8名(院生含む)

報 告:12月のコロキウムは、8日(金)にBBCとNHKのスポーツ映像VTRを見ました。
@BBCのVTR:スポーツにおけるテレビ支配の歴史と現状(1992年段階)を、ABCスポーツ局のルーン・アーリッジらのインタビューを交え、丁寧に追っていました。BBCのエピソードの中心は、勢い英米に偏っていますが、英国のネットボールへの影響や西インド諸島のアンティグア等などのテレビ視聴者へのインパクトなど、普段は知らない情報もたくさん紹介されました。オーストラリアのクリケットの変貌もテレビの介在によるものでした。アメリカのフットボールの世界はテレビなしには考えられない世界であることは周知の事実ですが、その内実も紹介してくれました。この後BBCはスポーツの有料化時代の到来を予測していましたが、さてPPVは今どれくらい浸透しているのでしょうか?テレビによってスポーツのエンターテイメント化、ショー化が進行していますが、それは一体視聴者のためになっているのでしょうか?スポーツ文化の進化には役立っているのでしょうか?「テレビによるスポーツ支配は今後も強まることはあっても、弱まることはない」「テレビスポーツの人気にはビジネス化の要素が強く、スポーツの偉大なる瞬間は誰のために映し出されているのか」というエンディングの問いかけが印象的でした。

ANHKの「スポーツとメディア:テレビがスポーツを変える」では、ピーター・ロメロ(現在の北京放送機構BOBのボス)のインタビューなどをはさみ、オリンピックやワールドカップサッカーのテレビとの関係を紹介していきます。1964年東京大会では「宇宙中継」と呼ばれて国際テレビ放送が行われたこと、1994年W−CUPサッカーアメリカ大会での決勝の開始時間の問題、2002W−CUPサッカーの日本招致段階でのバーチャルスタジアム構想、1998年長野冬季オリンピックの映像作成の計画などが紹介されました。NHKは淡々とエピソードや計画を紹介し、啓蒙的な紹介が多いと感じましたが、テレビとスポーツの切っても切れない関係を、これからどう良いものに変えていくことができるか、難問であると思った次第です。



■第53回 JOAコロキウム 開催要項と報告

日 時:2006年11月8日(水) 18:00−20:00
場 所:クラブツーリズム(地下鉄丸ノ内線「西新宿」駅、アイランドウイング 13F B会場)
テーマ:BBCが捉えたオリンピック問題
題 材:@北京報告
     ANHKプライム10(BBC制作;1992年)「誰のためのスポーツか?」 3.ビジネス化の功罪(45分)
参加者:7名(院生含む)

報 告:11月のコロキウムは、8日(水)に舛本の北京報告とBBCのスポーツ映像VTRを見ました。
@北京報告:舛本が参加した第5回世界スポーツ・教育・文化フォーラム(IOC・BOCOG・UNESCO)、第3回北京フォーラム(北京大学)について写真と資料を基に報告しました。北京のオリンピックの準備状況や国際会議の様子、オリンピック教育モデル校視察、研究者交流の様子などを報告しました。日本からの参加者が少ない問題点、オリンピック教育の遅れを痛感したことを報告しました。IOCはOlympic Value Education Program (OVEP)という新しいオリンピック教育プログラムを展開中です。機会があればまた報告したいものです。

ABBCのVTR:スポーツにおけるビジネス化の功罪を、スポーツ・エージェントのマイク・マコーミックの登場から追っかけていました。ビッグ・スポーツ・イベントに金が必要になる歴史の中で、F1の様子や他の大がかりなスポーツイベントに光を当て、企業の思惑、IFの思惑、エージェントの思惑などを描いていました。後半は特にオリンピックのマネー問題に焦点を当て、ディック・パウンドやサマランチ、P・ユベロスなどのインタビューを挟んでオリンピックの肥大化とビジネス化、表面的なオリンピック・ベニューのコマーシャル・クリーンなどの様子を取り上げていました。曽根さんのご指摘、エンディングでベルディの「ナブッコ」から「飛べ、我が思いよ、金の翼に乗って」が使われているということに、まだ引っかかっています。どうして使ったのでしょうか。。。。
(もう1本予定していたTV支配のVTRは時間が無く次回に回しました。)


■第52回 JOAコロキウム 開催要項と報告
日 時: 10月11日(水)18:00−20:00
場 所: クラブツーリズム(地下鉄丸ノ内線「西新宿」駅、アイランドウイング 会場13階B会場)
テーマ: BBCが捉えたオリンピック問題
題 材: NHKプライム10(BBC制作;1992年)「誰のためのスポーツか?」(ドーピング、ソ連崩壊;各45分)
報 告:
 10月のコロキウムは11日(水)に「テーマ:BBCが捉えたオリンピック問題」と題して、ドーピング問題とソ連崩壊後のスポーツをBBCの丁寧な映像とインタビュー作品で振り返りました。
参加者は9名(院生含む)でした。
 これは、1992年にNHKが6回シリーズで取り上げたものですが、今でも続く薬物問題が分かりやすく纏められていました。研究者、医学者、薬物使用者、コーチ、往年の名選手らのインタビューを交え、NFL、高校フットボール界、米国陸上競技界、1988年のベン・ジョンソン事件、1984年のロス疑惑、クラッベ問題などなど、風化してしまった感のある事件の再確認ができました。ドーピング万円の現実に対するP.コノリーの言葉「オリンピック・フリーク・ショー」が耳に残っています。
 後半は「スポーツ国家ソビエト連邦の崩壊」に伴う、トップアスリートたちの変貌ぶりのドキュメンタリーです。英国のJ・リオーダンというソ連スポーツの研究者の一連のインタビュー解説で、体育の振興、KGBの政策、スターリンの政策など歴史的に興味深い映像が多く見られました。また、国威発揚のためのスポーツ政策の中で、モスクワのディナモと言うクラブの存在や、プレス姉妹のような女性スポーツの振興も面白い視点で描かれていました。女子体操のキムも登場し、10歳の時のあどけないあのテニスのクルニコワとその母親のスポーツママぶりも描かれ、国家のためのスポーツからビジネスとしてのスポーツへと変貌していく様が描かれていました。

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