第93回JOAコロキウム 報告

日 時:2010年4月14日(水)18:00-20:00
場 所:「新中野切手サロン」
参加者:9人(居酒屋からの参加2名)
テーマ:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ+特別コロ講演(英国のオリンピックドキュメンタリスト)

題 材:特別コロキウム講演:「オリンピック・ドキュメンタリーとオリンピズム精神」 (Ian McDonald: Brighton University:England)

特別コロキウムとして明治大学が招聘したIan McDonald氏にオリンピックのドキュメンタリー映像とオリンピック精神について特別レポートして頂いた。McDonald氏は自身がドキュメンタリストであるとともに、批判社会学やスポーツドキュメンタリー研究をマルクシストの観点から研究している気鋭の研究者である。市川崑の「東京オリンピック」について分析した論文もある(2008)。バド・グリーンスパンの”16 Days Glory(1984)”から閉会式とエンディングナレーション、市川崑の「東京オリンピック(1964)」から依田郁子のシーン、”Visions of Eight(1972)”からマイ・ゼッタリングの「The Strongest」のシーンを取り上げ、オリンピズムの神話、オリンピズムから人間物語へ、アンチ・オフィシャルなドキュメンタリーと3作品を特徴付けながら比較論評したユニークな報告であった。通訳しながらの発表で発表時間に限りがあったのが残念である。

後半: IOC版「OLYMPICA!オリンピック100年の歴史」③(日本語吹き替え版55分)
マリー・ホセ・ペレク(女子400m)、1980モスクワ大会の閉会式、ビオンディとグロスら(男子200m自由形)、ベノイト(女子初マラソン)、リンフォード・クリスティ(男子100m)、ゾーラ・バッドとメアリー・デッカー(女子3000m)らが登場したお宝映像を堪能しました。1980年の閉会式はミーシャの涙が痛々しいですね。バッドとデッカーのシーンで倒れながらもバッドのゼッケンを引きちぎるデッカーの執念がうまく撮られていますね。McDonald氏がいたので英国選手の様子を聞くことができました。参加者は全部で17の映像を
楽しんだのです。

終了後はいつもの居酒屋談義。後から来た人も交えて英国人研究者を囲み、大いに盛り上がりました。