IOCのオリンピック・スタディー・センターが発行するニュースレター第31号(2015年12月号)が届きました。
東京オリンピック・パラリンピックを5年後に控え、新国立競技場やエンブレム騒動に揺れながらも大会開催に向けた準備が各方面で進んでいる。日本オリンピック・アカデミー(JOA)もまた、中期目標に掲げた「オリンピズムの普及と浸透」に沿って、オリンピック・ムーブメントの発展にいっそうの協力をしなければならない。
今年度のJOAセッションでは、オリンピック・ムーブメントの一翼を担うミュージアムに焦点を当てる。
アカデミーの語源となったプラトンの学園には、学芸の神々《ミューズ》を祀る神殿《ミュージアム》があった。国際オリンピック・アカデミー(IOA)でも、オリンピアの古代競技場の見学と共にミュージアムを研修プログラムに活用しているが、単なる偶然でも思いつきでもないだろう。
ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)のミュージアムをはじめ、現在のミュージアムの実例と動向を把握し、理想とするミュージアムの姿を思い描くことにより、はたして、これからのオリンピック・ムーブメントとJOAの取り組みにいかなるヒントが得られ、どれほどの活路が開けるだろうか。
このたびのセッションでは、札幌、長野、秩父宮、パナソニックなど国内の代表的事例を取り上げ、それぞれのミュージアムの特徴を理解すると共に、これからの取り組みや新たな挑戦にも注目しながら、オリンピズムの普及拠点として、また、オリンピック・レガシーとしてのミュージアムのあり方を構想し、オリンピック・ムーブメントの新たな展開にとってJOAが果たしうる役割を展望したい。
第38回JOAセッション開催要項(PDF)をダウンロードする
日 時 : 2015年12月5日(土)13:00〜17:30 (受付12:15、懇親会17:45〜19:30)
会 場 : 武蔵野大学 有明キャンパス 3号館301大教室
※懇親会は17時45分〜19時30分、武蔵野大学有明キャンパス内LOHASカフェにて開催
武蔵野大学有明キャンパス交通アクセス
http://www.musashino-u.ac.jp/guide/campus/access_ariake.html
主 催 : 特定非営利法人日本オリンピック・アカデミー
後 援(申請中含む):
国際オリンピック委員会
国際オリンピック・アカデミー
国際ピエール・ド・クーベルタン委員会
外務省
スポーツ庁
独立行政法人日本スポーツ振興センター
公益財団法人日本オリンピック委員会
公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会
公益財団法人日本体育協会
公益財団法人ミズノスポーツ振興財団
一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター
一般社団法人日本パラリンピアンズ協会
特定非営利活動法人日本オリンピアンズ協会
協 力(申請中含む):
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
筑波大学オリンピック教育プラットフォーム
武蔵野大学
パナソニック株式会社
株式会社乃村工藝社
時 程:
12:15 受付開始(武蔵野大学有明キャンパス 3号館301大教室)
13:00 開会式
オリンピック賛歌
主催者挨拶 笠原 一也 日本オリンピック・アカデミー会長
御来賓挨拶
13:30 第1部「オリンピック・ムーブメントにおけるミュージアム」
オリエンテーション:JOAセッション委員会 他
14:20 休 憩(10分)
14:30 第2部「国内オリンピック関連ミュージアムの実態と動向」(前半)
①事例報告1:長野オリンピック記念展示コーナー
土屋 龍一郎 株式会社エムウェーブ代表取締役社長
②事例報告2:札幌ウィンタースポーツミュージアム
白取 史之 札幌ウィンタースポーツミュージアム学芸員
15:15 休 憩(10分)
15:25 第2部「国内オリンピック関連ミュージアムの実態と動向」(後半)
③事例報告3:秩父宮スポーツ博物館
井上 裕太 秩父宮スポーツ博物館学芸員
④事例報告4:TOPパートナー視点でのオリンピック・ムーブメント推進について(仮)
小杉 卓正 パナソニック株式会社ブランドコミュニケーション本部 宣伝部
スポンサーシップイベント推進室オリンピック・パラリンピック課 課長
16:10 休 憩(15分)
16:25 第3部「オリンピック・ムーブメントにとっての理想的ミュージアムとJOAの革新」
⑤事例報告5:最近のミュージアムのトレンド
渡邉 創 株式会社乃村工藝社(調整中)
事例報告者とフロアを含めた全体討論 モデレーター:JOAセッション委員会
17:20 閉会式
主催者挨拶 藤原 庸介 日本オリンピック・アカデミー副会長
17:45 懇親会(武蔵野大学有明キャンパス LOHASカフェ)
*進行状況によって休憩時間の短縮、閉会時刻の延長なども予想されますので、予めご了承下さい。
<参加申込みについて>
方法:専用サイトからのお申込み、またはファクシミリ
※電話でのお申込みは受付できません。ファクシミリ送信先:029−853−6360
一行目に懸命として「JOAセッション参加申込」と記載し、以下についてお知らせください。①氏名、②勤務先(学生の場合は、学校名と学部生・大学院生の別)、③連絡先電話番号、④メールアドレス
⑤会員種別(正会員・一般会員・非会員)、⑥懇親会の出欠申込み期限:2015年11月27日(金)
<参加費>
会員:1,000円 非会員:1,500円 (院生・学生は無料)
懇親会費:会員・一般非会員:5,000円 院生・学生:3,000円<お問い合わせ>
JOA事務局アドレス(inform@olympic−academy.jp)
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第38回JOAセッション開催要項(PDF)をダウンロードする
JOAセッションを12月5日(土)に開催いたします。
今年度は、初めての試みとして会場を公募させていただき、武蔵野大学有明キャンパスにて開催することになりました。
武蔵野大学有明キャンパスは、2020年東京オリンピック•パラリンピックの競技会場、オリンピック村の建設が予定されいるベイゾーンに立地しております。
大会の開催を5年後に控えた今年のセッションでは、JOAの中期目標「オリンピズムの普及と浸透」の実現にむけて、会員の皆様と情報を共有し、今後の展望について議論できるテーマを企画しています。
プログラムの詳細につきましては、登壇者等確定次第、あらためてご案内させていただきます。
皆様のご参加をお待ちしております。
第38回JOAセッション
日時:2015年12月5日(土)13時00〜17時30分
場所:武蔵野大学有明キャンパス 3号館301大教室
※懇親会は17時45分〜19時30分、武蔵野大学有明キャンパス内LOHASカフェにて開催
武蔵野大学有明キャンパス交通アクセス
http://www.musashino-u.ac.jp/guide/campus/access_ariake.html
JOAセッション&レクチャー委員会
JOAでは、クーベルタン生誕150周年を記念し、国際ピエール・ド・クーベルタン委員会(本部ローザンヌ)が英・仏・独で制作したものの日本語吹替え版をtotoの助成金を得て制作・配布してきました。おかげさまでご好評をいただき、現在、在庫がない状況です。誠に残念ながら、配布を一時停止することをお知らせいたします。
ご理解のほどお願いいたします。
<参考>DVDの詳細
JOA主催オリンピック・ムーブメント講演会を下記の要領で開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。
<開催の趣旨>
国際オリンピック委員会( IOC )の設立から 120 年を経て、新たにオリンピック・ムーブメントの方向性を示す「オリンピック・アジェンダ 2020 」が 2014 年 12 月に発表された。わが国でも、 2020 年東京オリンピック・パラ リンピックの開催を一つのハイライトとして、その後も視野に入れたオリンピック・ムーブメントのあり方が模索されている。
オットー・シャンツ氏は『 IOC 百年』の著者の一人であり、近代オリンピックの創始者ピエール・ド・クーベルタンの著作とその後の IOC の歴史に精通し ている。同氏は、その著者としての功績により、 IOC よりオリンピック・オー ダー(勲章)を受賞し、近年ではパラリンピックの理論家としても国際的に活躍している。
5年後に迫った 2020 年東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、 IOC の歩みからみたオリンピック・ムーブメントの課題と展望についてシャン ツ氏にご講演いただき、わが国のオリンピック・ムーブメントのあり方について考える機会としたい。
<講 師>
オットー・シャンツ氏(コブレンツ・ランダオ大学教授,ドイツ)
<テーマ>
オリンピック・ムーブメントの過去、そして未来
−クーベルタンのヒューマニズムからポスト・ヒューマニズムへ−
<日 時>
2015 年8月 29 日(土) 15 : 00 〜 17 : 00
<会 場>
学習院女子大学2号館234教室または223教室
(東京メトロ副都心線「西早稲田」駅より徒歩 1 分)
http://www.gwc.gakushuin.ac.jp/about/access.html
<主 催>
特定非営利活動法人日本オリンピック・アカデミー(JOA)
<共 催>
公益財団法人笹川スポーツ財団(SSF)
筑波大学オリンピック教育プラットフォーム(CORE)
<後 援>
国際ピエール・ド・クーベルタン委員会
<主 管>
JOAオリンピック研究委員会クーベルタン研究部門
<参加費> 無 料
<講演抄録(和訳)>
クーベルタンは、オリンピックの理念という言葉からオリンピズムという新語を編み出したが、このオリンピズムは、ある種の西洋の伝統的人文主義(humanism)であると考えられる。人間として完成することやその進歩に関する考えは、そうした人文主義の典型である。また、クーベルタンの人文主義的思想の根幹をなす概念は、オリンピック・モットーの「より速く、より高く、より強く」にも表れている。このモットーは、過去においては時代に見合ったものであったが、未来のオリンピック・ムーブメントにとっては悩みの種であるかもしれない。なぜなら、このモットーはあらゆる競技能力増強を後押しし、ポストヒューマン※・アスリートの登場を促すかもしれないからである。永遠の進歩という野心に節度ある効果をもたらす調和のとれた教育―この理想は、IOCがクーベルタンの言うところの「market(現世の金銭授受の場)」か「temple(高貴な精神の場)」のいずれかを選択しなくてはならなかった時点で置き去りにされた。それ以来、アマチュアリズム/プロフェッショナリズム関連の言説は、ドーピング関連の道徳的な言説に取って代わられた。だが、アンチ・ドーピングとの非現実的な闘いは、スポーツのプロ化との闘いと同じようにアポリア(相反する合理的な回答が存在すること)であり、真の意味での解決策のない問題のようだ。NBIC(ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、情報技術<IT>、認知科学)と呼ばれる科学技術は、多数の強力なツールや方法を提供し、人(そしてスポーツ)のパフォーマンスの増強に手を貸すだろう。そして人類の進化の変容さえも引き起こすかもしれない。IOCは遅かれ早かれ、スポーツの世界にサイボーグ、あるいはポストヒューマンの特徴を備えた選手の問題に直面するだろう。こうした未来に備えてIOCには、オリンピック・ムーブメントを前向きに導くため中長期のビジョンが必要である。
訳注
※新しい科学技術によって、人間の身体や認知能力を進化させ、人間の状況を前例のない形で向上させようという思想(トランスヒューマニズム)における人間像
キーワード:クーベルタン、オリンピック・ムーブメント、過去、未来、ヒューマニズム、ポスト・ヒューマニズム、増強