オリンピック教育・研究」カテゴリーアーカイブ

第141回JOAコロキウム 報告

  • 日 時:2014年4月24日(木)18:00-20:00
  • 場 所:「新中野切手サロン」 
  • 参加者:6名テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
  • 内 容:2000年シドニー大会の開会式(前半)(NHK:日本語 約2時間)
     20世紀最後のオリンピック大会の開会式です。行進を除いてもたっぷり2時間はありますので、行進が始まる前までの前半部を観ました。開閉会式の総監督はリック・パーチ。ロサンゼルスとバルセロナの両大会の開閉会式の演出もしています。オーストラリアは荒野の赤い大地に120頭の馬が歓迎。テーマの一つは「和解」、多くのアボリジニの人々が参加しています。「歌い人」のジャカプラと少女ニッキ・ウェブスター、彼らが道案内人。彼女の夢の中でパフォーマンスが進みます。オーストラリアの大地生成から自然、入植と開拓、白豪主義後の5大陸からの移民など、オーストラリアの歴史と文化を壮大に描いていきます。移民の入植のパートでは、黒=アフリカ、黄=アジア、緑=欧州、赤=南北米、青=オセアニアという色づけがされますが、本来はオリンピックシンボルの5色には5大陸は指定されていません。12000人ものダンサー達が演じ、オーストラリア大陸の輪郭を描き、南十字星を演じます。前半の最後は20カ国から集まった2000人のマーチングバンド演奏。日本からも関西吹奏楽連盟の参加があります。オリンピックファンファーレや炎のランナーのテーマ曲などなじみの曲の演奏。最後は大会のロゴマークのミレニアム・アスリートを人文字で描き出しました。
    このシドニーの開会式ではアボリジニの人々との共演のパートが随分時間を取っています。「和解」のメッセージを発信しています。しかし、各パートが長すぎますね。予定より時間は大幅遅れのようです。
     終了後は、恒例の「もんし」での情報交換会。IOAの大学院プログラムに挑戦中の藤沢さんも参加、話はつきませんでした。

第140回JOAコロキウム 報告

  • 日 時2014年3月27日(木)18:00-20:10
  • 場 所:「新中野切手サロン」 参加者:4名
  • テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
  • 内 容:1998年長野冬季大会の閉会式(NHK:日本語1時間40分)
     1998年長野大会の閉会式です。森中直樹、有働由美子両アナ、萩本欽一さんが司会でした。あの紅白の派手な衣装は覚えていますよね。大きな獅子舞も勢揃いしました。長野地方のローカルなお祭りの大集合です。各国選手団はばらばらではなく固まっての入場です。欽ちゃんの「私たちのふるさとは、地球」という地球村のメッセージが何度も繰り返されていました。杏里が歌った「ふるさと」もしみじみさせてくれました。サマランチ会長はオリンピック休戦の成果と可能性に言及しました。しかし、実際に効果があったかどうかの検証はなかなか難しいようです。サマランチはオリンピックによる友情、連帯、協力が可能であるとしましたが、この長野大会では運営面のみの成功を強調してもいました。次期冬季大会のソルトレークシティへのオリンピック旗のハンドオーバーセレモニーでは、駅馬車やカウボーイが登場してあっと言わせていました。最後は5,000発の花火の打ち上げです。エンブレムをかたどった打ち上げ花火も、長野の手筒花火も登場し、最終は選手も演技者も一緒になっての「輪になって踊ろう」の大合唱と踊りで大祝祭の閉幕でした。この閉会式のメッセージは「世界中の人々にとって、たった一つのふるさとであるこの地球に平和を!」というものであったと思います。
     後半の2014年ソチ冬季パラリンピック大会の総括は資料配付で行いました。2020年東京大会のTOCOG編成も話題になりました。
     終了後は、恒例の「もんし」での情報交換会。4人と寂しい参加者でしたが、初参加の里見さんのお話しで盛り上がりました。

第150回記念特別コロキウム報告

 第150回記念特別コロキウム報告

○日 時:2015年1月24(土)13:00-17:00
○場 所:学習院女子大学 2号館3階235教室
○参加者:39名

第1部:講演「Podiumから学ぶ2020年オリンピック・パラリンピック大学連携プログラム」
講師:Vassil Girginov (英国Brunel大学,PODIUM理事,オリンピック研究者,編集者)

第2部:シンポジウム「2014年南京YOGの総括と展望」
演者:
1.八木沢蘭氏 YOGアンバサダーとして
2.大津克哉氏 YOG視察者として(前半)
3.舛本直文  YOG視察者として(前半)
コーディネーター:舛本直文

情報交換会:17:30-20:00 場所「Il Cucchiaio di Angelo」(高田馬場)参加者20名

学習院女子大学はじめ,会員諸氏のご尽力によって第150回記念特別コロキウムを盛会裡に終えることができました.関係の皆様のご配慮に心より感謝申し上げます.参加者は全員で39名,内JOA会員は27人でした.TOCOGから4人,東京都オリパラ準備局から3人参加頂き,盛会であったと思います.なお,当日参加の方も思いの外多く,資料の準備が不足し,大変失礼いたしました.

第1部,Vassil Girginov氏のLondon2012におけるPODIUMの実績報告と2020TOKYOへの示唆は興味深いものがありました.PREZIのスライドが上手く印刷できずに失礼しました.当然,英国の文化や制度は日本のものとは違いますが,学ぶべき点もいろいろありました.後は実務的な情報が欲しいところですね.今度3月上旬にPODIUMの事務局の情報収集に行ってくる予定です.

第2部の2014年南京YOGの総括はどこも行わないまま,2020TOKYOばかりが話題になる近況も危惧して計画させて頂きました.残念ながら,当初予定していたお二人の登壇者の報告は事情でご欠席になったため,急遽取りやめとなりました.しかし,アンバサダーとして大変貴重な体験を積まれた八木沢さんの報告は興味深いものがありました.今後の若者達のオリパラ運動のあり方についても再考する良いチャンスとなりました.大津氏の写真を元にした視察旅行記も印象深く拝聴できました.舛本理事からはYOGの抱えている問題点と可能性について報告させて頂きました.今後もYOGの動向を見守っていきたいと思います.

 

 

第139回JOAコロキウム 報告

  • 日 時2014年2月26日(水)18:00-20:10
  • 場 所:「新中野切手サロン」 参加者:8名 
  • テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
  • 内 容:1998年長野冬季大会の開会式(NHK:日本語2.5時間)
    1998年長野大会の開会式を観ました。16年前の映像です。有働由美子、藤井康夫アナに有森裕子さんがゲストです。開会式は昼間。映像を駆使した演出はできません。5万人収容の仮設スタンド。総監督は浅利慶太さん。日本の伝統文化のすばらしさを伝える、というのがコンセプトです。しかし、和洋折衷と言った方が良いかもしれません。建て御柱と木遣り、道祖神のダンス、曙の土俵入り、クリスムーン氏の聖火ランナー、森山良子氏の歌と雪ん子たちの歌とダンス、小澤征爾氏指揮の5大陸の5都市(ベルリン、シドニー、ニューヨーク、北京、ケープポート)を結んだ地球交響曲の大合唱、地球に優しい素材でできた風船による放鳩のシーン、聖火の最終点火者は伊藤みどりさん。その時の音楽はプッチーニ。何故でしょう? 長野のテーマは「子ども達の参加」「美しく豊かな自然との共存」「平和と友好の祭典」の3つでした。一校一国運動の子ども達が開会式ではピースアピールソング、聖火入場、各国選手団入場行進と大活躍しました。サマランチIOC会長はオリンピック休戦に言及するだけでなく、1998年は世界人権宣言の50周年記念の年と重要な言及をしています。オリンピックの価値は、敬意、寛容、尊厳、協力であるとして、「オリンピックの理想を通じて平和な世界を築いていこう」とスピーチしています。そんな重要なアピールが公式報告書には掲載されていません。大変重要なメッセージでしたが、NAOCには関心がなかったのでしょうか? 残念です。 後半は、2014年ソチ冬季大会の視察報告を行いました。坂本先生と舛本の現地視察報告の他、佐藤次郎さんには新聞で発信されたソチへの思い、2020年東京への教訓を紹介していただきました。

第138回JOAコロキウム 報告

  • 日 時2014年 1月15日(水)18:00-20:15
  • 場 所:「新中野切手サロン」 参加者:7名
  • テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
  • 内 容:①1996年アトランタ大会の閉会式(NHK:日本語2.5時間)
    100周年記念大会の閉幕は68年ぶりのマラソンの表彰式からスタートしました。マーチングバンドとコメディアンの駆け引きはあまりうけません。後に正式種目となっていく若者受けのパフォーマンス(スケボーやBMXなど)と音楽の共演。日本の布袋氏のロック演奏がありましたが公式報告書には記載がありませんでした。選手団の入場では最も印象的な選手がIOCのアントワープ旗を持つことに。それは短距離のマイケル・ジョンソンが勤めました。日本選手団の旗手は有森裕子選手。オーケストラが「聖なる休戦」のテーマを演奏しましたが、印象は今ひとつ。サマランチ会長のスピーチでは、爆弾テロとミュンヘンの11名の犠牲者に対して「いかなるテロもOMを破壊することはできなかった。希望と平和な社会を作り上げる」と語り、黙祷を捧げました。この閉会式では、スティービー・ワンダーによる「イマジン」の演奏・独唱による平和希求のメッセージは圧巻でした。6-12才の子ども達600人によるテーマソング「パワー・オブ・ドリーム」のコーラスも心温まるシーンでした。IOC旗のトランスファー・セレモニーののち、次期シドニー大会の紹介パフォーマンスでは、アボリジニ文化の紹介。ディジャリドゥの演奏とダンス、ワルチング・マチルダが演奏される中、カンガルー、大輪の赤い花や鳥、そしてオペラハウスの登場。これぞオーストラリア! シドニーへの招待パフォーマンスでした。