JOAコロキウム 第222回報告&第223回開催案内

第222回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2021年4月14日(水):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:8名
・テーマ:自由テーマ

1.情報提供
◎オリンピック・パラリンピック関連情報(事前配布資料)
1)朝日学生新聞(舛本コメント)
〇下記の情報交換テーマに則した資料約40点を事前にメールで紹介配付
①海外観客制限、ホストタウン困惑 NHK時論公論VTR視聴(10分)
②聖火リレー問題:NBCジュール・ボイコフ記事、オンライン音声カット問題、72時間ルー
③USOPCがオリンピック予選で抗議OK
④開・閉会式の文春暴露記事問題
⑤LGBT平等法、ジェンダー平等関係
⑥パラリンピック採火880超の自治体参加:聖火なのか?
⑦北朝鮮、東京大会不参加表明
⑧米国、2022北京冬季大会ボイコット協議など

2.意見交換:
丁度この日が大会100日前、各種イベントが開催された。高尾山山頂のオリンピックシンボルマークの設置と都庁内でのマスコット人形の除幕式が執り行われ、それに関しての意見も交わされました。あいにくの雨中でのさみしい除幕式でした。盛り上げたかったのでしょうが、都庁内のマスコットの設置場所も蜜を避けるためか未公開とのこと!!!

1)NHK時論公論の録画視聴し意見交換
・『時論公論:海外観客見送りか 東京五輪・パラに問われること』(3月19日、小澤解説委員10分)視聴:海外無観客の見込みで一体何ができるか?開催の意義をどう伝えるか?国際大会とは違う理念の実現を感染対策しながら運動として継続し、どう伝えていくか?舛本のコメントも含まれている。残念ながら、オリンピズムやオリンピアードという言葉は削除された。NHKこそこのような重要な概念を広めるべき。(この後海外無観客は3月20日に正式決定)(舛本)。
・理念をどういう言葉でどう伝えるか?再解釈して。
・2022年北京冬季大会を含め、人権を含めたオリンピックの理念やあり方を考える必要。
・コロナ禍で開催できない客観的な情勢の中で、あえて開催するその意味を説明できないTOCOG。オリンピックの価値や理念を考える好機。TOCOG、政府、JOAはきちんと発信すべきなのに何も言わない。
・学校教育現場はトップダウンで実施しているが、一般には伝えられていない理念。否定的な意見を持つ人も当然いる。アスリート・ファーストよりも「理念ファースト」で。
・日本の世論は大きく振れるのが通常。今65%が反対でも変わる。
・台湾海峡の軍事衝突の可能性もある。中国には中国流の正義がある。欧米が非難しても中国の国民の多くは満足。
・東京大会の「平和の祭典」としての意義を確認。今までのような大会はできない。デジタル技術などの新技術を駆使して開催してみることが必要。
・日本は人権無視の国。韓国やモンゴルにも遅れている。森元会長問題で建前だけの人権が暴露。これを正す好機である。
・クリシン不足の日本。「世界一寛容な日本」は願望に近いと批判。思い込みの日本人なのか。
・寛容よりも無関心、関わりたくないために薄い関心しか持たない日本人では。

2)2022北京大会ボイコット問題
・アメリカ発信のボイコット協議のニュース。米大統領報道官は取り消し。
・1980年モスクワ大会のボイコットの結果、どうなったか。選手達には利益はない。
・USOPCは選手の権利を守るべきでボイコットは無益と発信。ソルトレイクシティ大会のSLOOC委員長であったロムニー氏のような外交的経済的ボイコット発言もある。
・国連人権委理事会で中国の再選は、中国が援助して取り込んでいるアフリカ諸国の存在がある。コロナ対策やマスク外交などで中国のプレゼンスは高まっている中、欧米がボイコットの旗を振っても世界の多くの国が同調しない可能性。
・対中国への接近方法には、2016年締結の「平昌宣言」の活用の道もあり得るはず。
・ポリティカル・ファーストではなく理念ファーストで考えるべき。
・建前論過ぎても問題。ボイコットすべきでもないし、ボイコットしても何も結果を生まない。皆が傷つくだけ。中国が問題ではあるが、英米もそうは進まないであろう。
・どういう所でオリンピックを開催すべきか?独裁国家や専制主義国家ではなく、ふさわしい国はどこか?考慮すべき。
・選考時には北京かカザフスタンしか残らなかった。IOCは理念どころではなかった。独裁国家を外す訳にはいかなかった経緯がある。FIFAも類似した選考でロシアやカタールを選考。
・北京が何を正義として開催するのか?そこを測るための理念を大切にすべき。
・国際人権法の大家である大沼保昭氏は「21世紀は非西欧国による西欧国への謝罪要求の時代」と。これまで西洋は中国に謝罪したことはない。オリンピックの使い方や有効活用を考えるべき。

3)パラリンピックの開催の可能性
・持病や身体的な問題を抱えるパラアスリートもいる中でパラリンピックは開催できるのか?コロナ禍でも開催したらどのような医療体制が必要とされるのか?
・この質問には答えられないが、TOCOGは着々と進めているのではないか?
・オリンピックを強行開催し、感染が拡大したら2週間後に発症するのでパラリンピックの前に拡大することに。選手達が帰国してコロナ感染広げたら一体誰が責任を取るのか?
・ボランティアへの対策はマスク2枚の配付のみ。これで十分なのか?
・コロナ理由に参加辞退する国や選手が出る可能性。
・プランA,B,Cが用意されているのだろうか?
・PCR検査で、もし陽性が出た場合の対応は?IFが対応するのか?選手、コーチの医療体制だけでなく、TOCOGは観客やボランティアの対応も必要。

4)聖火リレー問題
・スポンサーのコンボイの騒音やNHKのライブストリーミングでの消音問題など、、。
・何を捨てて何を取るべきか?実施した方が良いのではあるが、今は聖火リレーは取りやめた方が良い。風当たりが強いだけである。
・問題があるなら改善対応したのが2019年ラグビーW杯。聖火リレーでも問題対応すべき。
・アンビバレントな計画のつけ。当初からの盛り上げたいという目的は、観客の密に繋がり、感染リスク大に。
・1998年長野冬季大会では携帯利用してランナーの走る思いを前日に聞いて皆で沿道で応援した。デジタル活用を。
・聖火リレーを楽しみにして集まる人たちもいる現実があり、それも否定できない。現実感覚の乏しい「人権、平和、人命」などの話しよりも、足下のリアルな人々の存在に関する議論が重要。人々の身近な問題にどう落とし込めるか?
・ただ走るだけでは知恵が無い。思いを繋ぐことが大切。
・クーベルタンは「オリンピックは装置である」といっている。利活用できるはず。(舛本注:「オリンピズムはシステムである」のはず)
・今の問題を抱えたオリンピックの姿がコロナ禍で顕在化している。制度疲労している日本社会では、東京でこそ開催してみるべき。
・橋本聖子会長は「東京モデル」を発信すると言うが、その「東京モデル」とは? その具体的なものはないであろう。
・聖火リレーに限らず、IOCのフォーマットの中で開催すると新しいものは出てこない。TOCOGとIOCがそれぞれのプロトコルの中で一緒にやっていく必要がある。どういう形であれば隣の人と繋がれるか?バージョンアップしたオリンピックを期待したい。

5)その他の情報共有など
・ヘレン・レンスキー著(井谷恵子・聡子訳)オリンピックという名の虚構-政治・教育・ジェンダーの視点から.晃洋書房、2,970円(青柳委員)
・「スポーツを考える会」4月26日(月)10:00-開催。JOAコロキウムメンバーには転送。

3.終了後:online乾杯(参加者3名)約1時間
残り時間はフリーディスカス。情報交換の継続など、いつものように話題は尽きず。楽しく時間が過ぎていきました。

 

第223回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2021年5月19日(水)18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・テーマ:「自由テーマ」
・内 容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(聖火リレー、TOCOG、IOC、大会開催可否関連など、各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。先にPC上で開いておくと簡単です。「画面共有」でできますので)。操作が難しい方は、wordでもpdfでも添付ファイルで舛本までお送りください。前もって配信します。
②意見交換:今回も共通テーマは「自由テーマ」とします。参加者はご希望をお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:可能な人だけでonline乾杯など自由に!
・定 員:15名程度(事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID・PW・URLをお送りします。
・会 費:無料(Zoom利用の経費はJOA負担です)
・情報交換会:ドリンクは各自で準備

☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
    joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:2021年5月16日(日)17:00