オリンピック教育・研究」カテゴリーアーカイブ

第113回JOAコロキウム 報告

日 時:2011年12月14日(水)18:00-20:00

場 所:「新中野切手サロン」

参加者:10名

テーマ:映像で見るオリンピックの歴史:バド・グリーンスパン監督:「16 Days of Glory (1984ロス大会公式記録映画 Part1)(英語版174分の前半部分)
Greenspanの初公式記録映画、オリンピアンの悲喜こもごもの物語や明暗ストーリー仕立てです。

登場選手:①商業主義オリンピックの開会式、有料だった聖火リレーの様子から始まる。五輪旗入場にはビリー・ミルズの姿も。ピーター・ユベロスの挨拶、ロケットマンの登場も、華々しい開会式、演ずる観客の姿も ②サイード・アウィータとデビッド・ムーアクロフトの5000m、世界記録保持者のムーアクロフトの惨敗 ③柔道の山下、準々決勝で肉離れをするが優勝までの記録、表彰式でラシュワンが山下に手を添えるシーンも映っている。 ④エドウィン・モーゼスと新妻の物語:主人公は奥様だ ⑤ローディ・ゲインズとジョン・モフェットの水泳の明暗を分けたレース。モフェットの肉離れで会場を去る姿が痛々しい ⑥十種競技のデイリー・トンプソン(英)と
ユルゲン・ヒングセン(西独)の激戦、ヒングセンは4種目目の走り高跳びで膝を痛め、痛み止めを打っての競技、トンプソンのウィニング・ランでは特性のTシャツを着るが、残念ながらアメリカのテレビ放映のアメリカ変調ぶりへの皮肉メッセージが映されませんでした。

終了後:いつものように居酒屋談義でした。今回は忘年会。後半は、今年度のスポーツ十大ニュースで盛り上がりました。

第112回 JOAコロキウム 報告

日 時:2011年11月16日(水)18:00-20:00(定例の第3水曜日)

場 所:「新中野切手サロン」(地下鉄丸ノ内線「新中野」駅、4番出口)
電話:03-6454-1405
住所:中野区中央4-1-3BONITA新中野ビル6階(薬屋「一本堂」のあるビルの6階です)

テーマ:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ IOC版
「OLYMPICA!オリンピック100年の歴史」⑬(日本語吹き替え版55分) 登場選手登場選手:①60年ローマ:コンスタンティン皇太子のヨット・ドラゴン級 ②36年ベルリン:110mH米国のタウンズはハードルの新ルールと新型ハードルで快走 ③36年ベルリン:お馴染みの棒高跳びメドウズVS西田・大江の後撮りのシーン ④56年メルボルン:ソ連参戦とハンガリー動乱、5000mのソ連のウラジミール・クーツは英国ゴードン・ピリーとの熱戦に ⑤88年ソウル:女子水泳東独のオットーは金メダル6個の活躍。裏にはドーピングの疑惑も ⑥92年:サッカー決勝スペインVSポーランドはスペインの地元勝利 ⑦60年ローマ:自転車タンデムは今では廃止の種目 ⑧92年バルセロナ:男子卓球シングルス決勝はワルドナーVSガティアンの欧州対決、中国はまだ台頭せず ⑨92年バルセロナ野球:キューバVS台湾の決勝、キューバの圧勝 ⑩36年ベルリン:男子4x400mリレー、消防士達が考案したとされるマイルリレーの醍醐味を ⑪12年ストックホルムと32年ロス:ソープとデーブ・ディドリクソンの大活躍。ディドリクソンは後に屈指の女子プロゴルファーに。しかし45歳でこの世を去る ⑫64年東京:水泳ドーン・フレーザーの有名な逸話(皇居のお堀に飛び込む)、56メルボルンと60ローマでのフレーザーの活躍の姿も ⑬36年ベルリン:女子4X100mリレー、ヒトラーが見守る中、ダントツのドイツチームの最終勝者がバトンパスで失敗。この後、ヒトラーとゲッペルスは一体どのような会話をしたのか気になるところです  ⑭92年バルセロナ:ホッケー決勝、ドイツと豪州、インド、パキスタンの姿はなかった。 このように沢山珍しいシーンがありました。

後半: I会員による戦後日本の夏冬オリンピック招致の回数への解説、クイズ形式で盛り上がりました。2020年東京招致は10回目になるのです。

終了後:いつものように居酒屋談義でしたが少々寂しい会でした。菊姫はやはり美味ですね。

参加者:7名程度

第111回 JOAコロキウム 報告

日 時:2011年10月19日(水)18:00-20:00

場 所:「新中野切手サロン」

参加者:10名

テーマ:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ

題 材:前半: IOC版「OLYMPICA!オリンピック100年の歴史」⑫(日本語吹き替え版55分)
登場選手:①ロス閉会式:商業主義のエポックとされるが大成功と自画自賛。モスクワの方が商業主義がひどかったとは初耳 ②88年ソウル水泳400mメドレーリレー:バーコフ、グロス、ビオンディらに混じって鈴木大地の映像も ③現在は行われていない競技(綱引き、立ち幅跳び、立ち高跳びなどの珍しい映像) ④56年マラソンのアラン・ミムン(仏)は友人のザトペックに引導を渡し、2位の定位置から脱出した。 ⑤36年ベルリン800mではウッドラフ・ランチ・エドワーズの接戦 ⑥72年水泳マーク・スピッツは金7個の大活躍。表彰台でアディダスのシューズを掲げての宣伝行為。しかしIOCは失格にせず。同年札幌冬季大会ではシュランツが追放になったのにである。 ⑦中国女子卓球の小兵149cmの鄧亜ひょうは92年と96年の単複の連覇で金4個の大活躍。父がシェークハンドを指導した。 ⑧92年南アの復帰:開会式にはネルソン・マンデラ大統領の姿も。テニスの決戦では南アと独のプロの戦い。ベッカー・シュティヒVSフェレイラ・ノーバル。惜しくも銀メダルに終わる。 ⑨36年ベルリン走り高跳びのジョンソン。レニ・リーフェンシュタールの映像が映る。膝をさするヒトラーと日本選手(矢田、朝熊ら)のジャンプも。正面跳びやベリーロール。懐かしい。 ⑩マット・ビオンディの快泳(88年ソウル)はさすがである。 ⑪ホワイトフィールド(52年ヘルシンキ)は48年ロンドンから大活躍。 ⑫76年モントリオール:シュガー・レイ・レナードはオリンピック大会後に引退予定であったがプロ転向し大活躍14年間で2敗したのみ。⑬24年パリ大会・28年アムステルダム大会:フィンランドのヌルミとリトラの大活躍。ヌルミは薬物使用をしていたとのこと。H先生によるとコカとのこと。当時はドーピング規定がなかったのでお咎め無し。⑭60年ローマ:女子水泳優勝候補のウッドは水を飲んで棄権。救助のシーンもありました。このように沢山珍しい映像を堪能しました。

後半: 10月17日に国連で2012年ロンドン大会に向けて「オリンピック休戦決議」が採択されました。その紹介と解説。初めてパラリンピックに詳細に言及。1948年ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院での障がい者のスポーツ大会がパラリンピックの始まりと明記。残念ながら2012年のインスブルックYOGへの休戦が含まれていませんでした。しかし2014年ソチに向けた準備は明記されています。

終了後:いつものように居酒屋談義で大いに盛り上がりました。(差し入れ多謝)

第110回 JOAコロキウム 報告

日 時:2011年9月14日(水)18:00-20:00(注意:定例の第3水曜日ではありません)

場 所:「新中野切手サロン」参加者:11名 + 居酒屋合流1名

テーマ:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ

題 材:前半:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ
グリーンスパン特集⑧『16 Days of Glory: Part II』(Bud Greenspan,1984,英語版,147分)(後半)①カール・ルイスの4冠物語の残り2本。200mと400mリレー。この映像もジェシー・オーエンスと対比させながらの新旧比較の4冠王映像でした。 ②ルガニスのダイビングは高飛び込みと板飛び込み2種目2冠、彼は1988年にも連続2冠を達成する。リーフェンシュタールの飛翔する身体映像と比較すると今ひとつかも。③体操男子団体の日米中の3つ巴。ビドマーとゲイロードを擁する米国チームの勝利。日本は中国に次いで3位であった。④シメオニvsマイファルトの女子高跳び決勝。マイファルトは16歳でミュンヘンで優勝し再度の対決に。⑤女子自転車ロードレース。米国2選手が接戦。ゴール直前のコース取りによる1インチの差の優勝決定。会場が沸いた。⑥男子体操個人総合の熱き戦い(李・具志堅・ビドマー)具志堅のぶつぶつは一体何と言っているのだろうか。⑦女子3000mの熱き戦い。ルーマニアのマルチカ・プイカが優勝するが、あまりなじみのない名前。皆さんご存じのデッカーと裸足のバッドの因縁の対決は、ゼッケンをちぎり取るデッカーの執念を見た。⑧ヘンリー・マーシュの敗者の物語。何故フィナーレを飾るのだろう?グランド内への闖入者も描かれていた。これでグリーンスパン特集は終了しました。

後半:若手研究者の研究ノート他:
ドイツのお墓巡り(リーフェンシュタールとレルヒ少佐)とヤーンのツルネン祭訪問の紹介(中央大学市場さん)レルヒ少佐の墓の所在が日本の書物では間違っているそうである。ヤーンのツルネン祭は年代別参加のスポーツ祭であるが、日光浴をする若者達の姿も写真で紹介された。早稲田の院生青木さんは古代エジプトの王の走行儀礼について報告。修論の一部だそうだが、30年で王は身体的・魔術的力を示すために走ることでその力を誇示したそうである。走れないと退位しなくてはならない。この王殺しと王の再生復活の儀式の話に関心が高く多くの質問が出ました。最終稿が楽しみである。私の方からは、13日開催の東京ビック・トーク「石原都知事との議論」での2020年招致関連のトークショーについて報告しました。国民一体となった招致運動には一体誰がリーダーに? 政治も巻き込みスポーツ界が力量を発揮するには一体どのようにすれば、、、?との疑問ばかりのトークショーでした。

終了後:いつものように居酒屋談義で大いに盛り上がりました。「もんし」からの合流者1名でした。

第109回 JOAコロキウム 報告

日 時:2011年8月9日(火)18:00-20:00

場 所:「新中野切手サロン」

参加者:8名 + 居酒屋合流1名

テーマ:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ

題 材:前半:映像で見るオリンピックの歴史:「お宝映像を探せ!」シリーズ
グリーンスパン特集⑦『16 Days of Glory: Part II』(Bud Greenspan,1984,英語版,147分)(前半)グリーンスパンのオリンピック公式記録映画デビュー作といってよい作品です。
①カール・ルイスの4冠物語のうち100mと幅跳び。スローで見せると共に1936年のジェシーオーウェンスとの対比が面白い。②棒高跳びの米仏の激闘。キノンとビネロン(仏)vsタリーとビル(米)の長時間に及ぶ跳躍とパスなどの駆け引きが興味深い。 ③ようやくの中国のオリンピック復帰と大活躍のシーンの連続。男子体操の李寧、高跳びの朱建華、ピストルの許海峰、ダイビングや女子バレーの活躍などのほかフェンシングでアジア初の金メダルのルアン・ジュジェの活躍も。④セバスチャン・コーとスティーブ・オベットのライバルリー。1980年モスクワ大会の映像も交え、ベットが気管支炎で2日間入院する不調の中、2人の激闘をラストの歓喜と失意の棄権のコントラストで描いています。

後半:若手研究者の研究ノート:ドイツ・スポーツ研究の中のオリンピック。ドイツの市民クラブ、第1次世界大戦時の伝説(英独軍、戦争を中断してクリスマスキャロルを歌いサッカーに興じた両軍)、ナチスに荷担したカール・ディームと彼への批判メッセージ。カール・ディームの印象を大きく変えたショッキングな映像の3本の映像を元に、ドイツ研究の紹介。ドイツにサッカーを持ち込んだコンラート・コッホが映画化されたとのこと。その紹介映像が見られなかったのが残念。なかなかユニークな研究紹介。今後にもこうご期待。

終了後:いつものように居酒屋談義で大いに盛り上がりました。