オリンピック教育・研究」カテゴリーアーカイブ

第153回JOAコロキウム 報告

第153回 JOAコロキウム報告

・日 時:2015年4月1日(水)18:00-20:00 (エイプリル・フールの日ですが,実施します)

・場 所:「新中野切手サロン」
(地下鉄丸ノ内線「新中野」4番出口徒歩1分 LAWSONのあるボニータビル6F)

・テーマ:映像で見るオリンピックの歴史

・内 容: 2008年北京大会の閉会式(NHK:日本語  約2時間もの)

アナウンサーは青山.内山の両アナ.閉会式の演出もチャン・イーモウ監督.テーマは,”Reunion of joy, reunion of friendship.” 監督は,選手のための閉会式を目指し,テーマの一つには中国の多様な民族の文化を表現するとされた.大太鼓の演出からスタートし,人海戦術で大パフォーマンスを展開する.途中には男子マラソンの表彰式が執り行われた.優勝したケニアの故ワンジルは日本で「ガマン」を教わったと青山アナが紹介する.新しく選出されたアスリート委員達がボランティアに花束を捧げ,リュー・キ組織委員会会長は,大会のテーマOne World, One Dream! の元,大成功を謳い上げた.IOCロゲ会長はTruly exceptional Gamesと北京大会の成功を称えた.ロンドンへのハンドオーバー・セレモニーでは,ロンドン名物のダブルデッカーが登場し,ギタリストのジミー・ペイジ(レッド・ツッペリン)の登場で盛り上がる中,イングランドサッカーチームのキャプテンであるD・ベッカムが登場し,ボールを選手団に向かって蹴り込み,ロンドン大会へのキックオフを演じた.ロンドンのテーマは「若者やこどもたちの参加」である.聖火が消える演出では,飛行機のタラップで旅立つ世界各国の選手団の代表が,開会式でも登場したあの絵巻物を使って,静かに消し去った.閉会式セレモニーの後は,大パーティとなるが,フィールド内に「記憶の塔」が演出される中,プラシド・ドミンゴが登場してデュエットで歌い上げた.平和のメッセージもが発せられたが目立たなかった.最後は花火で締めくくりである.こうして最後のパートのカーニバルが続く中,映像は終了した.

終了後は,いつもの情報交換会.様々な話題に花が咲きました.初参加の小林さんから紙芝居や2020年に向けた盛り上げ活動の話,プロ野球開幕の話題など話が弾みました.JOA観桜会も企画しましたので,参加の確認も.

 

 

 

第152回JOAコロキウム 報告

第152回 JOAコロキウム報告

・日 時:2015年3月11日(水)18:00-20:00

・場 所:「新中野切手サロン」

・参加者:10名
(9名+17才の高校生フェンサー小山君ゲスト参加. 祝アジアユース選手権大会優勝!)

・テーマ:映像で見るオリンピックの歴史

・内 容:
①ロンドンのオリンピック・パラリンピックのレガシー調査報告(舛本)
2月28日-3月5日のロンドン調査報告.特に,オリンピックメダリストで唯一のノーベル平和賞受賞者であるPhillip Noel-Baker卿の平和運動の足跡(Crystal Palaceのピース・レリーフ探し, Archwayのノエル・ベーカー平和ガーデン探訪,Sloane Square近くの元住居探索),大学連携事業調整機関PODIUMのその後の状況ヒアリング(元事務局長と閉鎖経緯),Queen Elizabeth Olympic Parkの改築状況の調査結果などについて写真とともに報告した.

②2008年北京大会の開会式(NHK:日本語 約4時間もの,後半45分)  
NHKの中継は青山裕子アナと三宅民雄アナの二人.ゲスト谷村新司氏です.北京大会の開会式は4時間にも及ぶ大絵巻と長時間の入場行進に後半の公式セレモニーです.演出は世界的に著名な映画監督チャン・イーモウ.今回は,リュー・キBOCOG会長挨拶,IOCロゲ会長挨拶,開会宣言,五輪旗入場・掲揚,オリンピック賛歌,選手宣誓・審判宣誓,場内聖火リレー,最終点火と儀式が進行します.ロゲ会長のスピーチには,以下の追加があった.「オリンピックは競技だけではない,人種,ジェンダー,宗教や政治体制に関わりなく204のNOCが参加する平和の祭典である」.さらに選手達に,オリンピックの3つの価値:Excellence,Friendship,Respectの大切さに初めて言及した.しかし,BOCOGの公式報告書にも中国の新聞によるスピーチ全文にもこの部分の記載がない.おそらく,ロゲ会長が最初に出したスピーチ文に後から追加したためであろう.この重要な記録がないのが残念である.56の民族衣装を着た漢民族の子ども達によるオリンピック賛歌,風が吹き出す国旗掲揚ポール,最終点火者のリ・ネイなどが印象に残った. ところで,国際クラーク高校在学中のフェンシング(サーブル)選手である小山君が特別に参加してくれました.アジアユース大会で優勝したとのこと,お目出とう! 普段はJISでアカデミーの選手達と一緒に練習しているそうです.2020年に向けてトレーニングに励んでいる中,オリンピック運動について学ぶ彼の姿勢に,参加者も大賞賛でした.

 

第151回JOAコロキウム 報告

第151回コロキウム報告

・日 時:2015年2月13(金)18:00-20:00
・場 所:「新中野切手サロン」
・参加者:12名
・テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
・内 容: 2008年北京大会の開会式(NHK:日本語 約4時間もの,前半)

NHKの中継は青山裕子アナと三宅民雄アナの二人.谷村新司氏がゲストです.北京大会の開会式は4時間にも及ぶ大絵巻と長々しい入場行進です.演出のチャン・イーモウ監督は,開始から中国の伝統文化を壮大な絵巻物として描いていきます.先ず,CG花火の巨人の足跡が鳥の巣に向かいます.缶(カン)と呼ばれる打楽器とLEDの照明は,古代と近代を結ぶテクノロジーですが,それに2008人の人海戦術とともに,中国の統率ぶりを演じます.弟子達3000人による「友遠方より来たる,また楽しからずや」と孔子のメッセージ.紙漉と水墨画を描くダンサー2人により,文字と記録メディアの伝統,活版印刷や羅針盤などの古代中国の発明品がアピールされていきました.中国の大航海時代は,この羅針盤の発明故との解説がつきます.

平和メッセージは,LEDを身に纏った人々によって鳩を描くことによって表明されました.ご存じのように,この開会式では,世界の首脳達80数人が列席しました.その中にはプーチン首相もいました.その一方では,国際世界ではこの2008年8月8日にグルジア紛争が勃発しています.プーチンは何もなかったかのように貴賓席で観戦しています.口パクが問題になった少女も,56の民族衣装を着た子ども達も体面を気にする中国のヤラセでした.

2時間も続く入場行進は,中国の漢字で表した国名の画数順.日本は23番目ですが,ざっと飛ばして見て終了です.台湾への完成がひときわ大きいのが印象的でした.中国の行進では四川大地震で活躍した少年が,旗手の陽明(ヤオミン)と手をつないで入場していました.

第149回JOAコロキウム 開催案内

  • 日 時:2014年12月17日(水)18:00-20:00(定例の第3水曜日)
  • 場 所:「新中野切手サロン」(地下鉄丸ノ内線「新中野」下車、4番出口徒歩1分 LAWSONのあるボニータビル6F)この日まで野崎会員の貴重な1964年東京大会の展示会です.
  • テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
  • 内 容:2006年トリノ冬季大会の閉会式(NHK:日本語 約2.5時間)
    トリノの閉会式,どのような演出であったかご存じでしょうか.テーマは「カーニバル」.道化師やサーカス文化を遺憾なく発揮していきます.監督はどのような演出をするのでしょうか?開会式で強調した平和のメッセージは,どのように表現されていくのでしょうか?日本人旗手は誰でしょうか? ロゲ会長のスピーチは?バンクーバーへのハンドオーバー・セレモニーはどのような演出とウェルカムをするのでしょうか?聖火はどのように消えていくのでしょうか?最後の締めは一体何なのでしょうか?乞うご期待
  • 予 定:映像鑑賞含め約1時間半後、フリーディスカス。終了後:居酒屋談義です。大あみだくじ大会も!
  • 定 員:15名程度(ルームのキャパシティのため)
  • 会 費:1,000円(会場使用料、資料コピー代、ドリンク代他。居酒屋談義は別途会費をご用意下さい。)
    ◎申込先:舛本@首都大学東京宛(naomasumoto@tmu.ac.jp @は小文字)資料の準備と居酒屋予約の為
    ◎このJOA−MLに直接の返信は避けてください。関心のない方にはMLの配信がご迷惑ですので。
    ☆150回記念特別コロキウム:1月24(土)午後13:00-学習院女子大学で開催予定です。乞う,予定確保!

第148回JOAコロキウム報告

  • 日 時:2014年11月19日(水)18:00-20:00(定例の第3水曜日)
  • 場 所:「新中野切手サロン」
  • テーマ:映像で見るオリンピックの歴史
  • 内 容:2004年アテネ大会の閉会式(NHK:日本語 約2.5時間)
    前半:野崎会員の1964年東京大会コレクション展示/Agenda2020の提案解説(舛本)
    前日の11月18日に発表されたIOCの改革案Agenda2020の40の提案に対して意見交換をしました.メディアは開催種目の競技からイベント重視への変更による野球やソフトの復活,空手の新規参入,複数開催都市や国をまたいだ開催などに関心を示しています.実は,その他には,環境重視,ジェンダーイクイティ,YOG開催の1年延ばし,オリンピック価値教育普及,スポーツと文化の融合,Olympic Channel設置,スポンサーの役割など,重要な提案がいくつもあります.忘れてはならない側面であると言えるでしょう.
    後半:2006年トリノ冬季大会の開会式(NHK:日本語 約2.45時間)
    トリノの開会式,トリノらしさを出す演出といえば,工業都市,フェラーリ,ルネサンスなどでしょうか.テーマは「Passion Lives Here!」です.ローマ以来の芸術性,未来派の芸術も遺憾なく発揮されました.五輪マークは工業都市らしさ,アルプスの文化も牛やアルプホルンで演じます.サーカスやバレエなどもふんだんに演じられます.平和のメッセージには小野ヨーコ女史も登場し,ジョン・レノンの「イマジン」の一部を朗読しました.その後に「イマジン」の独唱です.平和のシンボルである白い鳩は人間による空中パフォーマンスで描かれていきました.オリンピック旗の入場には8人の女性たち,世界的に活動する女性が選ばれ,マータイ女史やソフィア・ローレンさんも登場しました.ロゲ会長の開会挨拶に「オリンピック休戦」が言及されましたが,NHKはそれを誤訳してしまいました.この言葉を知らず,「真の精神」と訳してしまいました.残念な限りです(アナウンサーのミスではなく誰かが誤訳したのでしょう).最終聖火ランナーは,トンバ,コンパニオーニではなくステファニア・ベルモンドさん.オリンピック史上最も高い塔に,花火を使って点火しました.最後の締めは,パパロッティの「誰もねてはならない」で,会場を一大オペラ会場に変えていきました.さすがにイタリアですね.
    いつもの居酒屋談義は新参加者も含めて6人でこじんまりと! 菊姫を楽しみました.