オリンピック教育・研究」カテゴリーアーカイブ

JOAコロキウム 第230回報告&第231回開催案内

第230回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年1月20日(木):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:11名
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:
     「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.「東京2020大会」の文化プログラム
東京2020「Olympic Agora」の紹介映像:”First Olympic Agora at Tokyo 2020: A confluence of art, culture, sport” https://www.youtube.com/watch?v=wrTOO1R906Q北京大会でも実施予定(舛本)

2.「東京2020大会」を振り返る:オリンピズムの「平和運動」の側面から(情報提供 by 野上委員)
<情報提供の概要:文責舛本>
・「東京2020大会」のために実施された平和運動には、オリンピック休戦決議、聖火リレー、開・閉会式でのメッセージ発信、PEACE ORIZURU、難民選手団編成、オリンピック休戦の壁画サイン、国連のSDGs連携など、数多くあるが、すべて必要なのか? IOCが求める平和貢献とはなんであったのか? 東京大会では見えてこなかった。
・コロナ禍で、「安心・安全な大会」とはほど遠い状況のもと、「開催すべきではない」という民意を無視し、「とにかく開催する」という独裁政治のような対応の仕方は問題であった。
・女性蔑視発言、障がい者への差別発言、ホロコーストに対する不適切発言など、日本の人権意識の低さを露呈し、開催国としてオリンピズムを体現するという意識とその準備不足が深刻な状況を引き起こした。
・これらの問題は、SNSで過去の問題発言を掘り起こすオリンピック反対派によるあら探しだけでなく、「日本社会全体の人権軽視」という病理を象徴したものである。
・日本の歴史教育では、知識を教えてもそれが現代社会でどういう意味を持つかを導くまでには至っていない、という問題指摘と、日本ではホロコーストや人権問題への認識が甘く、起こるべくして起きた問題という識者の意見の紹介。

〇総括:
①そもそも「オリンピック休戦」は周知されていたのか?オリンピック開催に伴って何故休戦期間を設けなければならないのか?それは現代社会に戦争の悲劇を二度と繰り返してはならないという観点からである。
②オリンピックの場で、何故人権尊重しなければならないのか?多様性とは何か?それは現代スポーツにおける公平性、平等、自由を求めていくという観点から必要である。
③オリンピックでは平和運動を多く展開する必要はない。色々手を付けすぎて経費や人の能力を多く使うことになる。
④結論:オリンピックの平和運動は、オリンピックの歴史認識だけではなく、起きた出来事に焦点を当て、その歴史が現代社会においてどのような意味を持つのかを子どもたちに学ぶ機会にすべき。

<Q&Aおよび参加者によるコメント>
・Q1:「国際赤十字は関連者も含め4回もノーベル平和賞を受賞しているのに、IOCは何故受賞できないのか?また、IOCが平和を主張するのはいつ頃からなのか?」
Ans&補足:名目だけの平和運動でその実は金儲け団体に成り下がっているからである(ノーベル平和賞の受賞を希望はしているが…)。平和希求はIOC設立時のクーベルタンが主張してきているが、憲章では1908年から。

・Q2:「オリンピックの平和という建前を背負わせても意味がない。建前は不要で、オリンピックらしいオリンピックとは?世界中が賛同するようなオリンピック大会がどうあるべきかを真剣に考えるべきである」
Ans:オリンピックが力を持っている。光と影の両面があるが、今は陰の面ばかりが多く出ている。
・ノーベル平和賞を受賞できないのは、IOCが自分達の保身と利益しか考えていないから。オリンピックを存続させることしか考えていないため、現在ではロシアや中国にすり寄っている。また、ビジネスコンテンツに成り下がり、国威発揚、巨大化・肥大化し、大都市や強権的な国しか開催できなくなっている。
・IOCに揺さぶりを掛ける必要があるが、アスリート達には訴える力がなくなってしまい、民主国家ではオリンピックを開催できなくなってしまった。
・バッハ体制は批判されるべきである。特に国際政治への対応が不十分である。5年前には南北朝鮮合同チームを編成させたが、今回の北京大会では何も行動していない。また、ロシアとウクライナ問題にも何も対応できていない。2014年のソチ大会のクリミア半島に侵攻して併合した時にも何もできてはいないが、、、。
Ans:国と国との関係が前面に出すぎである。スポーツの祭典であり、国が全面的に出てくることは問題である。
・オリンピックは国の所管ではないはず。NGO団体であるはずのIOCは市民団体であるはず。市民の会費制で組織運営すればIOCは自由がきくはず。
・オリンピックを支えるのは私たちファンであるはず。オリンピックを愛好するものの願い。国の巨額予算に頼らざるを得ない現状が問題。夢物語ではなくクラウドファンディングなどで開催できるようになると良い。

・Q3:旧ユーゴスラビアの内戦時のIOCの対応は?
Ans&補足:IOCによる国連の働きかけによって、ボスニアヘルツェゴビナや旧ユーゴ圏の選手団が1992年バルセロナ大会に参加できる道を開いた。これが近代オリンピックでのIOCの「オリンピック休戦」の始まりとされる。
・IOCは「クーベルタン賞」を設置してオリンピックにおける平和運動面で貢献した人を表彰すべき。
・国旗が政治的に利用されている現実がある。一例として、「東京2020大会」ではアフガニスタンの国旗使用に関して問題があった。Enlighted nationalism(洗練されたナショナリズム)という視点が重要である。因みに、過去にも国旗や国歌を用いない方式が検討されてきてはいるが、、、。
・「特に、個人競技では国旗を掲揚することには反対である」という意見も出された。選手団の旗にするかNOC旗にするか? など国旗使用に関しては課題がある。
・nation state国民国家が成り立たなくなっている現実がある。さらにオリンピック・パラリンピックが利用されている感がある。物事には表裏があるはず。異文化交流や国際交流をどう展開するか? 特に今大会ではコロナ禍のため無観客方針などで大会中にできなかったことを今後どう展開できるかなど重要な視点である。
・もし「オリンピック・パラリンピック人権共同コミュニケ」が発信でき、それで中国に働きかけていたらどうなっていたであろうか?「平和の権利」というものを未来の人権として議論中であるが、、。
・オリンピックには複雑な問題があること、しかもステークホルダー毎に問題が違うこと。その中で、IOCがすべき平和貢献とは何か?IOCは如何にあるべきか? 誰にどのような責任があるのか? など難しい問題である。
・「積極的平和」の立場から「2022北京冬季大会」で臨むと危険である。特に新疆ウィグルの問題で抗議するとリスクあり。平和運動VS政治問題の対立もある。
・ジェノサイドであると主張する一方で、選手達に箝口令を敷くとなれば、一体何のためのオリンピックか?という意見も。
・電通問題ややりがい搾取などとの批判がある中で、何故ボランティアするのかなどの声もあったが、複雑な思いで大会に関わった。2001年の秋田のWorld Gamesでは大会事務局が国別のメダル数を発表するようになり、さらにオリンピックでも、「東京2020大会」ではIOCの憲章改正で国別メダルカウント数を公表することに変わってしまった。

・(以下、舛本の私見)
①オリンピックと他の国際スポーツ大会の違いは何か?そこをしっかり確認する必要がある。スポーツをすれば平和構築の目的を達成できるわけではない。オリンピックでの様々なイベントやプログラムは平和を志向するものである。
②「オリンピック休戦」への十分な理解は?国連とIOCが連携して、ただ単に戦争や紛争がない状態以上の、人権保護やSDGs連携、差別撤廃など、「積極的平和」と同様な活動を志向し、国連加盟国にそれを求めているのであるが、、。

3.選手による抗議のリスク報道の紹介
「2022北京冬季大会」で人権侵害などに選手達がプロテストすると処罰される危険があるのでしないように!報道
1.https://www.infobae.com/aroundtherings/articles/2022/01/19/athletes-advised-to-remain-silent-on-human-rights-as-beijing-2022-warns-against-behavior-counter-to-the-olympic-charter/
Athletes advised to remain silent on human rights as Beijing 2022 warns against behavior counter to the Olympic Charter(ATR January 19, 2022)

 2.https://news.yahoo.co.jp/articles/3e2f6068cd53c7fdd9df8f5de186f888293ec29e
北京五輪で人権問題巡る発言自粛を、選手に専門家が警告 (REUTER 1/19(水) 8:16配信)

 

第231回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2022年2月9日(水)18:00-20:00(第3水曜日ではありません。ご注意下さい。)
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:「2022北京冬季大会」関連
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは「東京2020大会」「2022北京冬季大会」「2030札幌冬季大会招致」などとします。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年2月6日(月)17:00

JOAコロキウム 第229回報告&第230回開催案内

第229回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2021年12月21日(火):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:12名
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:
     「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から

Ⅰ.情報提供
1.「東京2020大会」を振り返る:「環境」の面から(情報提供by大津)
・「東京2020大会」のために実施された「持続可能性プログラム」の概要について情報提供して頂きました。
<情報提供の概要>
・地球規模の環境危機の状況、環境問題への意識化と対策の歴史、地球温暖化とスポーツへの影響、IOCの対応状況などの概要を先ず紹介。
・「東京2020大会」では「持続可能性プログラム」Be Better Together(より良い未来に、ともに進もう)として5本の柱を提示、その内の①から③までの取り組みを紹介。この中には、人権やSDGsなども入っている。
① 気候変動:Towards Zero Carbon (脱炭素社会の実現に向けて)の取り組みとして、既存会場の活用、再生可能エネルギー電力の活用、EVやFCVの乗用車の活用、水素ガス利用した聖火
②資源管理:Zero Wasting(資源を一切ムダにしない)の取り組みとして、調達品の99%を再利用・再生利用、運営廃棄物の65%を再使用・再生利用、「日本の木材活用リレー~みんなで作る選手村ビレッジプラザ」(後は各県で再利用)、使い捨てプラスチックを再生利用した表彰台プロジェクト~みんなの表彰台プロジェクト~、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」、ボランティアのユニフォームや表彰式goodsの再生資源利用など。
③大気・水・緑・生物多様性等:City within Nature/Nature within the City(自然共生都市の実現)として、東京の「酷暑」を考慮し、マラソン・競歩の開催地が札幌に移動、酷暑での開催(ヒートポリシーの適用)、打ち水や手ぬぐいというアナログ対応、遮熱生舗装と保水性舗装の問題、PVでの森林伐採と樹木剪定などの問題指摘も!
 紙資源の節約は?マスクや医療資材の廃棄、フードロス、ボランティアユニフォームの再配布などの多くのムダが!
・まとめ1:オリンピックを機会に現状を認識する:エリートレベル(オリンピック)だけではなく、草の根レベルでもサステイナビリティの意識を
・まとめ2:「持続可能の確保」のために行動を起こせる人材を育成:アスリートのロールモデルとしての役割、高校保健体育で新たに加わった項目「スポーツと環境」の重視
・総括:今回の大会でどういった環境意識が醸成されたのか?例えば国体、国内のNF全国大会、日本で行われる国際大会でも、同様の取り組みがまた行われたりするなど、何かしらの継続があって欲しい…。留意すべき点として、エコ活動を実践し、地球環境保護のあり方を提言しつつも、個々人の行動が将来にとってどのような位置を占め、どのような役割を担うことになるのかといった認識が欠けているとしたら、結局のところ環境の保護と改善に寄与する働きにはならないだろう。「スポーツと環境」において、まだ当事者や現場に目が向いていない状況にとって、まずはその状況の問題性を喚起することが求められるところである。

<Q&A、コメント>
・最近は、オリンピズムの3本柱の「環境」というコンセプトではなくSDGsに含まれるテーマになっている。
・国旗の再利用の妙案は?パリで使用できないか?自国で作成したいパリのようではあるが?FIFAは仮設施設の次大会での活用等の工夫が見られる。既存施設の利活用で仮設を作らない方式も要考慮(観客を多くしない)という意見も。
・JOCの環境レポートにも問題が見られる。出しておけば良いというレベルになってはいないか?各協会でどのような教育や活動をしているかが重要。大会委のIOC報告書もやったことだけ、できなかったことも合わせて報告すべき。なお、トライアスロン協会のようなストーリーづくりにもなる取り組みが参考になる。
・選手村での食事関係では衛生や健康安全配慮の元に多くの食品廃棄があった。大イベントでは良く見られそうとのこと。
・開閉会式やボランティアの食事での不満や問題が。責任者の存在が不明なのも問題。長野大会の経験が生かせないのは? 学校教育での環境や持続可能性の教育は限りなく少ないのが現状。
・フードロスなどの大会運営に人々の関心が当たったようにオリンピック・パラリンピックに感心を持つ人が増えた。ここで大会開催の意義や問題点を検証して次の大会に申し送ることが大切。TOCOGが解散してもデジタル化して情報共有の道を模索すべき。但し、大会自体があまりのも大きくなりすぎた弊害もある。
・バトミントン連盟はガチョウの羽ではなく人工シャトルの利用を考慮して、環境配慮しようとしている。
・オリンピックの取り組みが他の競技会にシェアリングされていくことが大切。
・JOCの環境部門がOM事業部に吸収されてしまった。どういう取り組みになっていくか気がかり。一方、スポーツ協会では公認指導者講習会では「スポーツと環境」という科目が入っている。

2.「2022北京冬季大会」の「外交的ボイコット」関連
・「2016年平昌宣言」「2018年東京行動計画」「2020年北京共同声明」という日中韓3か国のオリンピック・パラリンピックを通じた東アジアの平和希求運動が、全く触れられないメディア報道と政府の対応。この流れを踏まえる必要性。
・過去の米ソのボイコット合戦でも意味はなかった。シュワルナゼ氏の回顧録も参考になる。たとえ虚構であってもスポーツの祭典という性格はなくすべきではない。アメリカが環境問題も含めて正常であるのか?一面的な批判で良いのか?などのコメントも。
・いろいろ幅広い考え方があるので、一面的に割り切ることが難しい問題。まずはオリンピックという観点から問題を見る必要がある。今のオリンピックがおかしい状況にあること、強権的な政府が開催する大会は良いものではないこと、中露の問題も指摘するなど。北京での大会開催も大切ではあるが問題もあるのでは、というような指摘も可能。

3.第10回オリンピック・サミット宣言関連
・2028年ロス大会では3Sのニュースポーツ(サーフィン、スポーツクライミング、スケートボード)が28種目に入ることがIOCのEBで決定。近代五種、ボクシング、重量挙げは現段階では除外、条件次第で復帰の可能性も。さらに、開催都市推薦競技として、アルテミット、ラクロス、野球・ソフトなどのカリフォルニアフレーバーと呼ばれる競技も候補として挙がっている。
・除外された3種目が復帰される条件はサミット宣言では明示されてはいない。これまでの情報では、ガバナンス(ボクシング)、ドーピング(重量挙げ)、馬術(近代五種)とされているが、IOCは28種のコア競技という立場を放棄。
・競技選定においては、オリンピックはどうあるべきか?という根本的な視点から検討されるべき、との意見。
・団体競技の追加は競技者数が増えすぎるので難しい。

 Ⅱ.その他の報告
・本間 龍著 『東京五輪の大罪』ちくま新書(by吹浦委員)
・吉見俊哉編著 『検証 コロナと五輪』 河出新書(by舛本)
・カルティベータのYouTube動画で、90歳のギネス認定世界最高齢アルペンスキー競技者である本間かほるさんの登場の予告紹介(by宮嶋)

.プレゼント交換大阿弥陀籤大会
・参加者の一部で年末恒例のプレゼント交換会を阿弥陀籤で実施しました。当たった人に各自が送付する形です。多謝!
・残り時間はフリーディスカス。情報交換の継続など、いつものように話題は尽きず。楽しく時間が過ぎていきました。

 

第230回JOAコロキウム開催案内

日 時:2022年1月20日(木)18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:
     「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から:平和運動面から
 情報提供者:野上玲子委員(日本女子大助教、JOAコロキウム部門委員)(18:30〜)

・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回も共通テーマは「東京2020大会」とします。参加者はご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料(Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年1月17日(月)17:00

JOAコロキウム 第228回報告&第229回開催案内

第228回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2021年11月17日(水):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:14名
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から:文化面から

1.情報提供
①東京2020大会」を振り返る:「文化プログラム」の面から(情報提供by舛本)
・2021年「東京2020大会」のために開催されたプログラム、コロナ禍で中止やonline開催となったプログラムなどの紹介。その詳細は以下のwebsite『オリンピズムの伝道館』のJOAコロキムのページでも確認できます。
https://sites.google.com/view/olympism-dendokan/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/joa%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%82%A6%E3%83%A0

・情報提供の概要:「東京2020NIPPONフェスティバル」、IOCのOFCH連携プログラムである「Olympic Agora」「オリンピック・ランゲージ:デザインでみるオリンピック」、TOCOGの参画プログラムである「スポーツNIPPON」、東京都のTokyo Tokyo Festival、「日本博」「Culture NIPPON」、ホストタウンハウスの様子、中止のPV、オリンピック・パラリンピック教育での異文化理解など、乱立した「文化プログラム」など文化面の紹介。総合プロデューサーも置かずに統一性無し。全体的戦略も無し。開・閉会式の文化的演出も不十分。結果的に、特徴的なデザインやダンス、音楽などレガシーも遺らず。
・新型コロナウィルスの感染拡大で、密を避けるために集客のための派手な広報戦略できず、online化や感染防止のために紙パンフ配布も不可などの制約もあった。
・個人的見解として、「今のところ何も遺さなかった」「インパクトはあったかも知れないが、レガシーは?」と総括。

<Q&A、コメント>
・多様な「文化プログラム」の報告はどうなるのか?メディアの取り上げ方が不十分なのは競技志向のオリンピック観故。
・1998年長野冬季大会では細かなプログラムも含まれ、公式報告にもかなりページを割いている。
・2016年リオ大会後の日本の取り組み検討例では、スポンサーが付いて儲かるのかというような民間の発想が支配的。
・2012年ロンドン大会では、総合プロデューサーも置いて格調高い「文化プログラム」が実施されていたのと対照的。
・2016年リオ大会では、ナショナルハウスがどこに有るのか分からないところもあったが、Japan Houseなどで日本文化の知らないところも知ることができた利点もある。
・第2聖火台で、ゆっくり見物も写真も撮れないのは残念な対応であった(平和メッセージやデザインなどの重要性は?)
・「文化プログラム」は観念的で建前的でもあるが、日本文化中心になってしまう現実がある。そもそも「一体何を伝えるのか?」そのような全体的な哲学を打ち出す必要性がある。それこそがJOAの課題である。
・異文化交流に基づく相互理解が重要であるが、東京都の「オリンピック・パラリンピック教育」では、コロナ禍で文化面は十分に実施されてはいない。
・研究上、「芸術競技」が実現した1912年から振り返っているが、人間文化の多様性や普遍性こそ重要都の意見。
・JOCはオリンピック・ムーブメントを展開しているが、文化・芸術面の専門家は存在しているのか? →「JOCミュージアム」には学芸員の専門家が在籍しているが、オリンピックの専門家ではない。

②IOCのオリンピック憲章の改訂関係(情報提供by舛本)
1)第10条:「オリンピック・モットー」の変更
・「- Together - 共に(一緒に) 」が新たに加わる(ラテン語では-Communiter)=>より何々、という形容詞の高みを目指す向上スローガンではないカテゴリーのものが入った。erが着くからか? Solidarityを展開したIOCだからか?また、「Stroger Together」のように、コロナ禍で「together」を冠したworkoutなどをしたからか?共にと言っても、障害者やLGBTなどの多様性を念頭にした「共生社会」を目指すものではなさそうである。
・表記が、ラテン語から英語中心のモットーになった。「-」が意味するものは一体何なのか?不明である。
・ラテン語の研究者から誤用との批判もある(Wikipedia だが)。https://en.wikipedia.org/wiki/Olympic_symbols#Motto_and_creed
・ハンス・レンク(Hans Lenk)が提案した「より美しく、より人間らしくpulchrius, humanius」を加えるべきだ、という主張には全く言及せず。

2)第57条:Roll of honour(入賞者名簿)の改正
・メダルの世界ランキングが作成できるように改正(IOCのwebsiteやOCOGのwebsiteでも)。
◎ただし、国別ランキングを作ることではない、と言うスタンスなのか?
・入賞者名簿の作成は義務ではなくなる。
・従来のように、メダル受賞者の名前をメインスタジアムのよく見える場所に刻まなくても良い。新国立競技場でも。
・8月8日から発行となる前のIOC総会で決定事項であるが、国内のニュースでは一切報道されす。メディアは憲章改正で何を報道したのか?
・JOAがメダルの国別ランキングに意見書を出した際には、既にIOC総会では改正済みであって、国別ランキングを作成できることになっていたとは!!
・本57条は、名誉条項であったものが、名誉でもなく情報提供条項になるという性格変更も?
・第6条の「オリンピック競技大会」との関係では、名簿は国別ランキングではないというスタンスからか、この第6条は改正されていない!

<Q&A、コメント>
・IOC総会のメディアへの説明では、憲章の改正趣旨などの説明はなかった。
・JOA監修の公式記録集(角川)にも国別メダルランキングが掲載されている。
・何故このような改正がされたか、説明される必要がある。
・最近のIOCによる団体戦競技の導入は、男女同数を目指すということを大儀としながらも国別対抗というテレビ受けしスポンサー獲得するというIOCのビジネス戦略の一環と見なすべきであり、競技を歪めているので問題視すべき。
・IPCは国別メダルカウント表を作成しているが、それは国からのパラ支援を引き出すためであるとの方針故。
・ナショナリズムを煽ることになるが、愛国主義との区別やオリンピズムがトランスナショナリズムであることの重要性。
・国旗・国歌をなくせ、という事に短絡的に結びつけるべきではない。国際理解の第1歩であるという考えも必要。
・最近は関係者がメダリストのウイニング・ラン時に国旗を投げ込むシーンばかり目立つ。アスリートもメダリストでなくても国旗を背負って走る事が増えている。パラでも見かける。メディアはこのような振る舞いを批判すべき。

③2022年北京冬季大会関連の問題(情報提供by舛本)
・アメリカのバイデン政権による大会の「外交ボイコット」提案がある。日本政府の対応が気がかりでもある。アメリカの中間選挙を控え、タイミングが悪い時期の中国の人権問題である。
・人権擁護運動団体であるHRWによるスポンサー批判やUNによる動向は注視すべき。
・中国研究者たちの動向によれば、欧米の自由や人権のみ正しいわけではない、というスタンスが見受けられる。今現在の時点では国際的な公正の考えからは問題ではあるが、150年くらいのスパンで考えると、ナショナルなものを完全に否定すべきではない、という考えも必要である。また、ステレオタイプ的な人権観で中国を批判することにも問題。
・2008年北京大会は、世界は中国の人権問題の改善を期待して開催を認めたが、失敗に帰し、一向に改善されず。
・HRWなどの機関と異なり、国家がオリンピックを政治的なツールにするのは問題である。
・北京冬季大会ボイコット問題に合わせ、1980年の時のようにNOCや個人参加の道も考える必要あり。
・中国の人種問題の中で、漢民族と他の少数民族との関係は?歴史的に国を支配してきた民族の変遷があるが。漢民族には一つの中国としてのアイデンティティがあるが、新しい帝国史観という考えも必要。異民族を包摂した多文化主義。
・では、現在の中国の新疆ウィグルやチベット民族の弾圧の問題には、その許容性が及ばないのか?

④IOCによるジェンダー平等のための参加基準作成のための原則提案(情報提供by舛本)
・ジェンダー平等や性の多様性に配慮した参加基準作りを各IFに委ねる。その際に配慮すべき10の原則をIOCが指針として公表。
・トランスジェンダーへの配慮や性自認の尊重、心身の安全性に配慮すべきなど、最近のジェンダー問題に配慮した指針。
・セメンヤ選手やハバート選手がどうなっていくかは、IF次第。
・フェアネスの問題であるが、研究者の中には「アビリティ・カテゴリー」による区分という考えもある(A. Schneider)。
・男性・女性ホルモンバランスや、外形的にも染色体の遺伝レベル的にも交差する不明瞭な状況にあるのが現実なので、男女の判然化は難しい問題である。

2.その他の報告
・NHK『歴史探偵』「写真で迫る真珠湾戦争のリアル」:捕虜第1号酒巻和男氏とスポーツも(by吹浦委員)
【放送予定】12月8日(水)[総合]後10:30~11:15(吹浦氏出演予定?)

 3.終了後:online乾杯(参加者4名)約1時間
残り時間はフリーディスカス。情報交換の継続など、いつものように話題は尽きず。楽しく時間が過ぎていきました。

 

第229回JOAコロキウム開催案内

日 時:2021年12月21日(火)18:00-20:00+プレゼント交換のための大阿弥陀籤大会
・場 所:Online Zoom会議
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から:環境面から
 情報提供者:大津克哉会員(東海大学准教授、JOA理事、JOAスポーツ環境専門部会副部長)

・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回も共通テーマは「東京2020大会」とします。参加者はご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:年末恒例のプレゼント交換の大阿弥陀籤大会を開催します。参加可能な人だけでOK! また、online乾杯など自由に!(プレゼントは1,000円程度で、オリンピック・グッズなら何よりですが、こだわらずにどうぞご準備を!)

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料(Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
2021年12月18日(土)17:00(なお、この日はJOAセッションの開催日です)

JOAコロキウム 第227回報告&第228回開催案内

第227回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2021年10月12日(火):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:12名
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から:スポーツ面から

1.情報提供
①IOCの2036年開催都市選定委員会委員長に元クロアチア大統領(今井明良委員)
・ATRのEd Hulaのニュース配信:IOC はKolinda Grabar-Kitarovic元クロアチア大統領(53歳)を2036年開催都市選定委員長に選任した。彼女は2020年からIOC委員に就任したばかりで、大抜擢。2025年退職予定のバッハ会長の政治的思惑と2036年までのIOCの現状体制継続方針が窺える。次期IOC会長候補とも目される。

②IOAの第61回国際ヤング・パーティシパント・セッションの参加報告(唐澤あゆみ会員)
・9月17日~23日までonlineで開催されたIOAユースセッションの参加報告。男性40名、女性44名の参加者。日本からは唐澤会員を含め大学院生2名が参加。
・メインタイトル:Olympic Movement and the Pandemic(これは他のセッションとも共通のテーマ) 
・ユースセッションタイトル:Olympic Movement and the Pandemic: Opportunities, Challenges, and Changes
・毎日のレクチャー計7本とWGは参加必須プログラム。その他、 Social evening, Virtual WO, Art program, Cultural meeting, Olympic quiz, Ceremoniesも開催され、参加。
・7本のレクチャーのポイント紹介:コロナ禍で「女性の妊娠出産と競技選択など人生設計に大きく影響した」とのAngela Schneider女史のレクチャーが印象深かったとのこと(実は、舛本もレクチャラーの一人でした。その時の講義内容に加筆した日本文をJOAのReview onlineに掲載予定)。
・講義とWGへの毎日の入念な準備の重要性、対面と比べonlineでの全く異なる体験、オリンピア詣での気持ちが一層昂進した。
・意見:新モットーのtogetherへの関心が高そうであった。時差の関係で参加者の苦労は大であったよう、さらにコーディネーターの貢献が大きい。
・Q&A:onlineだからこそできることは:事前に資料読了できるので質問等の準備可。Onlineでは1人対全員の発話体制、質問などの発言のタイミングの難しさ。IOAへのパラリンピアンの参加状況への関心など、意見交換された。

③「東京2020大会」を振り返る:スポーツ面
「オリンピック・パラリンピック、新聞はどう報じたか」(佐藤次郎委員)
・新聞主要3紙(朝日、毎日、読売)を対象に、一部テレビ報道も交えて、メディアが大会をどう報じたのか、その傾向の分析結果を情報提供してもらった。
・オリンピック開幕に際しての報道:3紙に報道姿勢や傾向に差:朝日は中止要請したこともあり競技控えめ、毎日は最も批判的、読売は開催肯定的
・オリンピックの競技報道:読売は最も多くの紙面を割く。毎日も読売に次ぐ紙面構成、朝日はある程度抑制的な紙面。「スポーツライティングとしての新聞記事」という意識不足の観あり。野球の報道は騒ぎすぎとのコメントも。
・パラリンピック開催に際しての報道:「日本におけるパラリンピック報道元年」となった。NHKは4波使った報道もあり、建前のパラリンピックへの知識報道から初めて市民権を得た報道に転換下大会。新聞各紙もオリンピックに匹敵するほどの報道ぶり。
・パラリンピックの競技報道:毎日が多く紙面を割く。読売もオリンピック並みの扱い。一方、朝日は控えめ。オリピック開幕前に批判的トーンであった朝毎の両紙では、毎日の方針が整合性を欠く。内容的には日本選手に偏らずバランスが取れていた。しかしながら、最近の「感動ポルノ」などの批判を恐れてか、及び腰の報道ぶりが気がかり。パラリンピックの競技報道には、感動するものの本質に迫るような報道、真に伝えるべきものを見極めた報道が重要との主張が印象的であった。

<Q&A、コメント>
・日本選手中心のナショナリスティックな報道ぶりは大きな問題。朝日の総集編構成やテレビでは日本選手のメダル報道ばかりとの批判コメント。
・メダルランキング表は、オリンピックでは3紙とも掲載。パラリンピックでは、読売・毎日は連日掲載。朝日は最終日のみの節度ある対応との補足。
・NHKは4波も使い、7時のニュースも使ってやり過ぎの感との意見。パラリンピックへの注目は長野冬季大会から。
・1992年のニュースステーションからパラリンピック報道。長野、シドニー大会では毎日8分間のパラリンピック報道。
・1996年アトランタ大会ではパラリンピックの開会式は選手達が主役であったが、2020大会では全く様子が違う。選手達の入場がメインであるべき。
・開閉会式はテレビのためのショーになっている。選手達の参加数も少なく、過去の日本開催の大会と比較しても開閉会式をやる意味があるのか疑問。あるいは、オリンピック・パラリンピックの開閉会式は同時でも良いのでは、との意見。
・今回は、障害者も「やればできる」「できることが素晴らしい」という「エイブリズム」批判の論調が少なかった。
・2022北京冬季大会の人権問題、人権問題と国際政治との関係はどうなるか?北朝鮮問題も同様だ。開閉会式の不参加という「外交ボイコット」の動きも。しかし、先進国の過去の行動から、中国を批判する資格があるのか疑問との声も。
・「若者たちのアーバンスポーツのプレーぶりがオリンピックに新風を吹き込んだ」と言われるが、一方でニュースポーツ、e-スポーツに批判的な意見がある中で、伝統的スポーツ離れが進む中、若者たちへのアプローチとしてIOCも検討しているが、との質問。
・回答は、IOCはe-スポーツにパイオニア的なのではない、ただスポンサーが欲しいだけの対応にすぎないこと。世界中で皆ができるスポーツで交流できることが国際平和や親善につながってきたオリンピックの歴史がある。スポーツの祭典にふさわしいもの、成熟し大いに発展しているスポーツが競技種目として望まれる。現段階ではアーバンスポーツはオリンピックにふさわしくはない。プレーヤー達がスポーツの意味を込めてプレーしているのか? なお、補足として、IOCはe-スポーツという表現を使わずバーチャル・スポーツという表現で少し距離を置いている段階。
・一方、オリンピック競技種目の変質も必要との意見も:SOCIETY5.0も含め、サイバー空間(仮想)とフィジカル空間(現実)の融合を含め、今後新たなスポーツをどう考えていくのか?今後は教わるよりも自らが学ぶことがメインとなる社会。Xスポーツやアーバンスポーツは、個人で獲得するもの、自分で作り上げるものであるので重要になるかも。
・障害を武器として社会と戦う、という人の存在があったことも。世界が注目してくれれば良いという考えは、今のパラリンピアンにもいるのだろうか? コマーシャリズムでもなくポリティックスでもなく、スポーツを真に楽しむことを大切にするプレーぶりを期待するというコメントもありました。

2.その他の報告
・11月6日(土)13:00-BSフジ「皇室とパラリンピック」放映予定(吹浦委員)

終了後:online乾杯(参加者4名)約1時間
残り時間はフリーディスカス。情報交換の継続など、いつものように話題は尽きず。テレビ報道なども話題に。楽しく時間が過ぎていきました。

 

 第228回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2021年11月17日(水)18:00-20:00 (定例の曜日にもどります)
・場 所:Online Zoom会議
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る
        「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から
・内 容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回も共通テーマは「東京2020大会」とします。参加者はご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:可能な人だけでonline乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
     (事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID・PW・URLをお送りします。
〇会 費:無料(Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:ドリンクは各自で準備

☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
    joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:2021年11月14日(日)17:00

 

 

JOAコロキウム 第226回報告&第227回開催案内

第226回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2021年9月15日(水):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:10名
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:ボランティア関係者の目から

1.情報提供
①TOCOGのスタッフの立場から(大橋英美会員)
・一人の大学院の学生として、またTOCOGの職員としてpeople managerの仕事に携わり、そこで看取した体験談として情報提供してもらいました。
・大会は無観客になったが、オリンピック・パラリンピックの持つパワーのものすごさを感じたそうである。
・大橋さんは、大会前は企画業務、大会中はオリンピックではさいたまスーパー・アリーナ、パラリンピックでは幕張メッセに詰めて、職員、ボランティア、スタッフなど人員関係の仕事に携わる。9月一杯でTOCOG業務終了とのこと。
・大会会場に入って:遅い無観客方針の決定によって、ボランティアの再配置、PCR検査実施、D&Iの会場での実現などの苦労とともに、コミュ力、会場毎の違い、スポーツの持つ力、組織の在り方など、学びも多かったそうである。
・日本におけるボラ文化の根付き、世界を回る大会開催の意義、アスリートからボラへの感謝の発信の多さ、若い世代のスポーツ姿勢など、日本社会の変化の兆しを看取。
・今後の日本社会の改善点として、ジェンダー平等、シニアによる政治社会、スポーツの縦社会、日本的組織の働き方改革の必要性、国際的コミュ力持つ人材育成など、多くの課題も感じたそうである。
・その他の私見もあったが、ボランティの醍醐味は、人との出会い、コミュニティ形成にあると感じたそうである。
・Q&Aでは、外国からのボランティアの参加状況、学校連携観戦状況、女子バスケ決勝戦のボラ観戦の経緯、TOCOGの縦割り・無責任体制批判などの質問や意見が出されました。

②オリンピック・パラリンピックの両ボランティア経験者の立場から(今井明良会員)
・テニス会場のアクセスコントロールの活動、競技観戦はできないが、その体験から感想を提供して頂きました。
・ITFの果たした役割が大。選手の安全を守ること、全試合を期間中に終了させることが優先である。また、無観客であったたことで対応できたことも大きい。ヒートルールの適用、会場変更、深夜までの競技時間など、融通性がもてた。
・観戦はできなかったが、世界のトップアスリートとの近い距離感を経験。
・開催反対の逆風が吹く中でも、多くのボラ希望者の存在。達成感も高く、7割が女性。多様な人材や高い実務能力を持つ人など。毎日の役割分担を自己完結で実施、その調整はグループ・ラインの活用で行った。
・TOCOGにとっては、フィールド・キャストが自由に使える人的資源、メンバーのリストなどを含め、これが大会のレガシーとして今後のスポーツ大会の運営などに活用できないか?
・補足:1964年のパラリンピックの日本赤十字語学奉仕団での通訳経験から、ボランティア・ネットワークが可能(吹浦)

③医療ボランティアとしての参加から(坂本静男会員)
・観客対応用ではなく、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の医務部門からの会場内競技者の医療対応スタッフとしてボラ活動に参加。事前の救急蘇生などの研修も受けたが、実際の選手対応の医師は2名存在し、あまり活動する機会はなかった。
・ボランティア体験から苦言を:1.事前に情報が必要、2.食事がひどすぎること、3.1回開催で終わらずに数回開催が望ましい、4.医者の立場からしてこの夏の時期の開催は間違い、10月開催が1964年のレガシーとしても必要。

④パラリンピック大会のボラ体験(舛本事前配付資料)
・無観客方針のためイベントサービス(観客案内、チケット、セキュリティチェック、入場案内など)の活動が不要に。再配置連絡不十分で問い合わせ。東京ビッグサイト南館の車椅子バスケット(WBK)チームのサポート活動に従事。
・選手達の送迎、車椅子や用具の搬送、練習会場の感染防止対策(クリーンアップなど)、リフレッシュメント交換などが主。
・練習会場の送迎では、選手との身近な交流が可能に。ピンバッジ交換なども。パラ用Peace Orizuruづくりも。
・日本全国からリフト付きバスの集結、輸送トラックやバスの封印シールに、慎重な感染防止対策や安全管理を看取。
・最終日のサプライズご褒美:男子WBKの日米決勝戦の会場見学に招待された。
・余剰ボランティアユニフォーム再配布への私見:無料再配布よりも、世界中の衣料不足地域への無償提供があっても。

2.その他の報告
・「オリンピック・パラリンピック人権共同コミュニケ」(森田会員)
・Chang.orgに英語版で意見掲載したが、ほぼ反応無し。外務省のagendaにも載っていないので、今後とも声明の実現は難しそう。
・中国の人も含めて、一般の人にはオリンピック・パラリンピックは好意的に見ていたようである。

3.終了後:online乾杯(参加者4名)約1時間
残り時間はフリーディスカス。情報交換の継続など、いつものように話題は尽きず。選手村の様子なども話題に。楽しく時間が過ぎていきました。

 

 第227回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2021年10月12日(火)18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る
        「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から
・内 容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回も共通テーマは「東京2020大会」とします。参加者はご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:可能な人だけでonline乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
     (事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID・PW・URLをお送りします。
〇会 費:無料(Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:ドリンクは各自で準備

☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
    joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:2021年10月9日(土)17:00