JOAコロキウム 第235回報告&第236回開催案内

第235回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年6月23日(水):18:20-20:00(Olympic Day)
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:8名
・テーマ:公式映画、ロシア・ベラルーシ対応、「2030札幌招致」関連、IFのジェンダー対応など

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.「オリンピック・パラリンピック人権宣言」と日中韓3か国共同宣言に関連して(森田会員)
・2012年ロンドン大会のオリンピック閉会式の日に、イギリス、ロシア、ブラジル、韓国の連続して大会を開催する4か国が「オリンピック・パラリンピック人権コミュニケ」を出したこと。それが東京大会で途切れてしまったこと。
・2018年の平昌冬季大会に向けて、2016年に日中韓3か国が東アジアの平和構築のためにオリンピック・パラリンピック大会を通じて未来志向で協力すると謳った「平昌宣言」が重要である。
・その後、2年毎に日中韓3か国のスポーツ大臣会合が開催されて、大会の2年前に「東京行動計画」や「北京共同声明」として協力して取り組む内容が調印され公開されてきた。
・その内容は文科省のwebsiteにも掲載されてきていたが、2020年「北京共同声明」に関しては未公開であった。
・森田会員が文科省に情報開示請求したところ、6月3日に文科省のwebsiteに掲出された(舛本が昨年文科省にメールで内容確認をしたときには、無視されたのだが、今回は情報公開請求故か?)
・重要なことは、この「北京共同声明」では、平和と人権の理念的な内容がなくなっている(中国の現状を反映か?)
・なお、2024年江原道YOGのために、第4回目の日中韓3か国のスポーツ担当大臣会議が2022年中に開催予定であるが、韓国がホスト国故、日本政府は韓国からの連絡を待っているとのこと。
・この第4回目の声明に何が盛り込まれるのか注目される。
・森田会員は、次の3点を盛り込むように要求してはどうかという提案がなされ、意見交換した。
 1.東アジア地域における平和的で包括的な関係構築
 2.世界人権宣言と同様、全ての人々の人権と基本的自由の保障
 3.Olympic Agenda 2020+5に含まれているAthlete Rights and Responsibilities Declarationの重要性に触れる
・現在のロシアによるウクライナへの軍事侵攻問題がこの3か国宣言に含まれることが可能かどうか?
・中国の人権弾圧状況からみて、このような内容を盛り込むことが可能か?

2.「東京2020大会」公式映画「SIDE:A」関連(鑑賞したメンバー中心に)
・芸術作品に偏向せず、アスリートの準備などスポーツの価値を前面に出した中立的な記録としての映画。無駄な色づけがされていないとの感想があった。
・観客が不入りでがらがらの映画館。内容は面白かったが日本選手の活躍が描かれておらず、日本のスポーツ関係者にしたら怒るであろうと推測するような内容であるとの感想も。
・男子柔道と女子バスケットボールの内容が多く割かれている。ビゼール会長まで。嘉納治五郎は登場しないが。
・木下グループが目立たないがあちこちに露出。同社のこの映画制作における位置づけが不明である。
・柔道48kg級のウクライナの選手を使って、ウクライナ戦争の現状を踏まえた取り上げ方に工夫があっても良い。
・ノーナレーション、字幕スーパー使わないドキュメンタリー手法をしっかり踏襲。しかし、東京2020大会を知らないと何のことか分からないことが多い。また、内容にピックアップした選手と何を捨てたのかは同義。監督の判断次第。
・バランスが重要であるが、ラストのバランスはどうだろう?名監督の演出に問題を感じた。特に、育児のために女子バスケットボールの日本代表を辞退した大崎佑圭選手とカナダのキム・ゴーシェ選手の成田空港での対面やスタンド観戦。
・なぜ二本にしたのか?一本としてのまとまりが欲しかったとの意見も。
・河瀨監督が、スポーツではなく自分を見せたいというような雰囲気の映画であるようだ。
・テクスト・コンテクスト・メタテクスト(「コンテクストに応じてメタテクストに配慮しながらテクストを解釈する」)という映像解釈の定式(1999年舛本提示)に応じて考えると、先入見に応じて様々な認識の枠組みが生じて解釈が多用になる難しさ。(参考:『オリンピズムの伝道館』の「そぞろ歩記NO.23参照」
「東京2020大会」公式記録映画 SIDE:Aを鑑賞して
https://sites.google.com/view/olympism-dendokan/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%BC%9D%E9%81%93%E5%B8%AB%E3%81%AE%E9%80%8D%E9%81%A5%E8%A8%98%E3%81%9D%E3%81%9E%E3%82%8D%E6%AD%A9%E8%A8%98#h.n5gmdzkucqmo
・2016年リオ大会の記録映画が良い。リオの町全体が選手達を受け入れ歓迎している姿が良く映し出されている。

3.「2030年札幌冬季大会」の招致運動に関して(自由意見交換)
・ここに来てスペインが辞退。2030年札幌、34年ソルトレイクの2大会同時決定の可能性もある。
・外国2都市の住民の支持率高い。それをバッハがどう判断するかが要点。
・札幌招致計画では、開催意義だけでなく、札幌ドームの維持可能性、選手村分散問題、空港移動問題など、本気で対応すべき問題が多い。
・IOCの流れは、招致に手を上げる都市が減少する中、日本が開催に向けて乗ってくれるように躍起となっている感がある。
・日本の組織委員会メンバーは東京大会終了後燃えていない現状が見受けられる。終わってスッキリした、清清した感もあるようだ。7月23日の1周年記念に向けて同窓会ミーティングなどする部署も見られるが、、。 

4.FINAのトランスジェンダー選手の扱い
・国際水泳連盟(FINA)がトランスジェンダー選手制限方針を出したことに対して、IF任せのIOCと言う批判があるが、IF間で手を取り合って対応していくべき問題であろう。
・もう一点、セメンヤ選手などの高テストステロンの女性選手の問題がある。男女二元で分けることの問題の複雑さ。
・日本の女子サッカー代表チームで活躍する選手たちの傾向にも窺える問題も見られる

5.冬季大会の複合種目廃止問題
・スキーの複合競技(ジャンプと距離)の廃止がIOCでも話題に。男女同数の基本方針に向けて、女子を増やすのではなく男子部門を廃止する方向はどうであろうか?
・女子ジャンプ競技にもラージ種目がないが、、?
・複合は競技人口減の現状。競技の難しさがあるがそれが面白さに通じたはず。King of Skiの称号はどこに?
・ジェンダー問題や男女同数志向に関連して、IOCは男女差のない「e-sport」の可能性を考えているとの発言もあり。
・これに対して、感銘する意見であるが、「e-sport」のオリンピック加入は許したくないと言う考えも。
・IOCは「e-sport」という語の使用を慎重に避けて、「virtual sport」という語を用いて、実際のスポーツ振興に資するようなテレビゲームを考えている。
・IOCもIFもジェンダー問題に真剣に取り組んでいない。論ずること自体がタブーになっているような感がある。
・IFは建前に丸投げ、IOCはIFに丸投げ、メディアもそう。軽々には論じられない問題ではあるが、スポーツの在り方も含めて正面からの議論が必要である。
・将棋やチェスの扱い、男女一緒の競技にするか? マインドスポーツの方がより容易いのかも。

6.IOC・IPCのロシア・ベラルーシ対応関連
・ウィンブルドンの制裁のように、トップアスリートの排除の現実に関連して、オリンピックが最高の選手が参加しない種目(例えば、ゴルフ、サッカー、テニスなど)はオリンピックに不要ではないかという意見があった。
・あるいは、オリンピックは2流以下の選手の競技会で良いのか?という点を考慮すべきであろうという意見。
・テニスのようにプロ化が進みシステム化されている超プロ化の種目では、ランキングにも関係なく賞金もないオリンピックに対して、スケジューリングの難しさも含めて一流選手に参加してもらうにはもう限界に来ている。何処かで妥協する必要があるとの意見も。 

7.近況報告の中で情報提供
・JOCの「オリンピック・ミュージアム」の新装オープン関連で、過去の国旗の問題が示された。第4回ロンドン大会の前までは国別参加ではなく個人参加であったため、それまでの3回大会の参加選手の国旗の掲出は不要のはずとの意見が。しかし、それを譲らないJOCサイドの問題がある。
・IOCの文化ヘリテイジ財団の編成の経緯に関しての質問があったが、IOC理事会及び総会の議事録確認する必要あり。

Ⅱ.終了後は乾杯タイム。
・今回も、自由参加で様々な話題に対して自由に意見交換をしました。

 

第236回JOAコロキウム開催案内

日 時:2022年7月27日(水)18:00〜
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:自由
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは特に定めません。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年7月24日(日)17:00