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JOAコロキウム 第234回報告&第235回開催案内(2022/06/06)

第234回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年5月19日(水):18:20-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:8名
・テーマ:IOC・IPCのロシア・ベラルーシ対応および「2030札幌招致」関連

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.IOC・IPCのロシア・ベラルーシ対応関連(野上会員のコメントも含め意見交換)
・今回のウクライナ戦争でIOCとIPCが課した、あるいは課そうとする制裁に対して、事前に野上JOAコロキウム委員に以下の3点の資料を提示し、当日にコメントを求めることを依頼しておいた。
・IOCの役割とオリンピック大会の場として役割をきちんと区別すべきである。IOCの立ち位置や役割は、オリンピックの場の外での戦争には批判声明を出し、さらにオリンピックの場が代理戦争にならないようにすべきである。オリンピックの場は、スポーツには国境がない世界市民・地球市民が集う場であり、そのフィールドで平和希求する場(野上)。
・個人参加の道を開くべき。ロシア・ベラルーシの選手だけに反戦の意思表明するよう求めるべきなのか?他国の選手には求めないのに。大会はNOCが参加主体で国ではないはず。同じ国土にいただけで同罪にする制裁には疑問。
・「スポーツに国境がない」というのは夢物語。ドーピングも国と国との問題となってしまったように、国別参加形態である限り、優位な差を求める国対国の感情が支配することになる。
・IOCのオリンピック運動は任意団体が行っているに過ぎない。IFが1票を持っているわけでもなく、会長推薦を含め115名のIOC委員が決定権を持っている。それはそれで良いものとして130年も継続してきた。IOCが政治から離れている方が良いし個人参加を認めても良いが、今の状態でそれが可能かどうか?また1992年のIOCのオリンピック休戦前の1991年のサダム・フセインの問題に時にはIOCは何も行っていないはず。今回のプーチン・ロシアのウクライナ侵攻に対しては、西洋だからIOCは動いたのか?文句を言われないように動いたのか?
・ロシアは自分達ではなく他国が悪いと思っているのでは。国旗・国歌無しで個人参加の形で競技するしかない。
・亡きオシム監督を想起する。ユーゴが分裂している中のw-cupサッカーでの監督手腕ぶり。1986年メキシコ大会のマラドーナの神の手事件があった大会では、マルビナス戦争(イギリスvsアルゼンチンの戦争)下での因縁の対決も。
・IOC・IPCには難民選手団のカテゴリーがある。政治的主張ではあるが個人参加のチャンネルがある。このように、国の代表枠と信条としての個人参加の枠の両方を提案しても良いのでは?
・ラグビーのような参加資格も参考になる
資料1:オリンピズムの伝道館、そぞろ歩記No21「ロシアとベラルーシのIPC加盟と資格問題」参照https://sites.google.com/view/olympism-dendokan/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%BC%9D%E9%81%93%E5%B8%AB%E3%81%AE%E9%80%8D%E9%81%A5%E8%A8%98%E3%81%9D%E3%81%9E%E3%82%8D%E6%AD%A9%E8%A8%98#h.t9ngoh11v5lc
資料2:Exclusive: Russia and Belarus to face vote on IPC membership in November (ITG 7 May 2022)https://www.insidethegames.biz/articles/1122850/russia-belarus-ipc-membership-vote-egm
資料3:スポーツが未来を変える 五輪と平和、問われるIOCの覚悟 黒須朱莉(産経新聞 2022年5月6日)https://www.sankei.com/article/20220506-XJC43YQUWRL3BEWX65CDD5YF6M/

2.「2030年札幌冬季大会」の招致運動に関して(自由意見交換)
・2030年札幌、34年ソルトレイクの2大会同時決定の可能性もある。ここに来てスペインの人脈を元にしたバルセロナ・ピレネーチームの巻き返しも気になる(但し、コロキウム後にスペインチームの意見不一致のニュースも)。札幌計画では、帯広のスケート会場の観客席の少なさ、札幌ドームの2030年までの維持可能性、分散開催による選手村分散問題、スケート人口減問題など、懸案事項多しとの意見。
・1972年札幌大会をイメージして、同じようなオリンピック開催計画にして欲しくはない。スケート人口減も気になる。
・儲かるという経済効果のみ関心のある札幌招致に関わる人々にはあきれるほかはない。東京2020大会は住民投票がなかった。札幌では住民投票が行われるか?行われても政治にきちんと反映されるのか?
・泊原発は2029年に40年を迎えるはず。廃炉にするのか、継続活用か?現状のエネ政策では継続が既定路線か?
・ロシアの北方領土での軍事演習などから北海道侵攻の心配は?
・アイヌの人々は文字を残さないので、歴史学的に過去を調べることは難しいの考古学の対象。しかし、ロシアが北海道に侵攻するとは考えられない。1988年に定められた現在のヨーロッパの国境も変えられないように。
・札幌の計画には理念不足。東アジアの平和構築への寄与も見受けられない。2024年には江原YOG大会が予定され、2022年には日中韓3か国のオリンピック・パラリンピックを通じた平和構築宣言の第4回目が出される見込み(2016年平昌宣言、2018年東京行動計画、2020年北京声明として出されてきた過去から)。そのような内容にも一切触れてもいない開催計画案で、札幌開催の意義など道民や国民に賛同されるとは思えないが、、。

3.近況報告の中で
・ロシアのウクライナ戦争中にIOCやJOCの発信ぶりを見て、「スポーツがいかに無力かを痛感した」との声。「スポーツ界は、普段からスポーツと社会の関わりについて常に幅広く発信し続けなくてはならない」という考えが示された。
・漫画家の北沢楽天に関しての情報提供:Wikiから:(きたざわ らくてん、1876年7月20日 – 1955年8月25日)は明治から昭和にかけて活躍した日本の漫画家、日本画家である。本名は保次(やすじ)。楽天は『時事漫画』や『東京パック』等の新聞や雑誌を中心として、多数の政治風刺漫画や風俗漫画の執筆で活躍した。楽天は日本初の職業漫画家とみなされる事もあり、その漫画の人気は、現代における「漫画」という用語が広く一般に普及するのに多大な影響を与えた。

Ⅱ.終了後は乾杯タイム。
・今回も、自由参加で様々な話題に対して自由に意見交換をしました。

 

第235回JOAコロキウム開催案内

日 時:2022年6月23日(木)18:00-20:00(オリンピック・デーです!)
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:自由
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは特に定めません。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年6月20日(月)17:00

JOAコロキウム 第233回報告&第234回開催案内(2022/04/27)

第233回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年4月20日(水):18:20-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:9名
・テーマ:「2020東京パラリンピック大会」記録映像他

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.「2020東京パラリンピック大会」記録映像関連
(1)パラリンピック記録映像作成の経緯について(師岡会員)
・1964年東京パラリンピック大会での記録映像は非公式。角川の協力の下、残された映像を上智大学で上映。関心呼ぶ。
・2020大会ではIPCとNHKが協力して記録映像化決定、森喜朗元組織委員会会長の尽力もあった。
・3月29日深夜のNHK放映は、3月24日の組織委員会理事会の配付資料にも掲載済み。各メディアは取り上げず周知されなかった。JPCもNHKのパラスポーツ担当者も知らず。PR不足であり広報の目詰まり感あり。
・5月3日18:10-NHKのBS1で再放送予定。今後は、IPCが編集し、英語字幕をつけて公開予定。
・河瀬監督のオリンピックの公式記録映画は2本立て:6月3日、6月24日に公開予定
・参考:その後、予告編が公開されました:https://www.youtube.com/watch?v=NMxbMwKDyo8&t=5s

(2)記録映像の概要(舛本)
・17本の物語構成。東京パラ大会の競技パフォーマンスではなくヒューマンストーリーに焦点。事前に登場人物を決定して、家族など追いかける、Bud Greenspan的な構成。パラリンピアンだけでなく、パラ開会式で独演した森田かずよ氏や「ギソクの図書館」で義足を体験する子どもたちなどの姿も収録されている。
・大会のテーマソングがないことが、記録映像化でインパクト不足の原因にも。(オリンピックでもマスコットでも同様か)
・参考:『オリンピズムの伝道館』の『映像記録 東京2020パラリンピック』字幕解説 (逍遥=そぞろ歩記NO.20 ) https://sites.google.com/view/olympism-dendokan/ホーム/オリンピズムの伝道師の逍遥記そぞろ歩記#h.qoemjsrjanfx

(3)自由意見交換
・競技パフォーマンスに焦点化して欲しい。ヒューマンストーリーに関心がある人と分かれるかも知れないが。
・東京都や文科省がオリンピック・パラリンピック教育上でどのような対応をするのか関心がある。しかし、コロナ禍の現状、各学校では観覧推奨することは難しい状況。東京都の「学校2020レガシー」プログラムでも方向性は不明である。
・組織委員会は小規模化で残務整理のみ。人手不足。教育面では布村副会長にアプローチする方が良いであろう。既に東京都もオリンピック・パラリンピックには無関心。外部からの圧力がないと動かないのが官僚組織。
・D&Iとしてのパラリンピック競技大会の方向性のもと、日本の障害者団体にとってはどのような位置づけに? 障害者をパターン化して「やればできる」的に見なすべきではない。パラアスリートは特別な存在であること、よりwell beingで過ごせるような取り組みこそが大切。スポーツをするしないは別の問題。また、エイブリズムの問題も考慮する必要があろう。
・スポーツとして扱われることには賛同あり、しかし超人として見られることには違和感あり。 Sport for all は健常者の障害者も同じ方向。スポーツを楽しめる方向こそ望ましい。

2.「2030年札幌冬季大会」の招致運動に関して(自由意見交換)
・第3期スポーツ基本計画にもぎりぎり間に合わせた。招致が前提となっている。しかし、一部の人たちだけが動いている感じでもある。意向投票の数字も変化している。環境問題、コロナ対策のほうが先決、ロシアの北海道侵攻の危惧などのほうの関心が大である。特に、ロシアへの対応やつき合い方を決定する必要がある。IOCの守備範囲を超えるが政治を巻き込んだ議論が必要。また、現状日本が開催できる国力があるのかどうか?
・日本ハム球団が移動した後の札幌ドーム球場の存続可能性とそこで大会の開閉会式を計画する案の問題。北海道全体の具体的なスポーツ問題との関係が重要。長野のスパイラル再利用にかかるお金の問題も不明。
・招致計画自体が都市開発と経済振興であり、オリンピズムなどに基づいた理念や開催意義が不明である。
・2030年はSDGsのゴール達成年度である。ウクライナ戦争で気候変動への対応などが遅滞する中、人権問題なども含めSDGsへの配慮が重要である。
・2030年までのあと8年間で新しいオリンピック・パラリンピックの姿を作り上げていく発想が大切。IOCに提案するためにも、開催計画案には「アジェンダ2020+5」などの理念を再確認すべきである。さらに、地球温暖化が進行する中、夏季大会の屋内種目を冬期に移行するなど、大胆なオリンピック改革が必要であろう。
・IOCが一方的に開催費負担を押しつける開催都市の持ち回り方式の要再考。アテネ、ローザンヌなど大会の定点開催案も考慮すべき。
・北海道は不景気の状況下、企業の体力は弱い。対ロシアの問題でもサケマス交渉、北方領土問題、軍事演習など問題が大きい中、金のかかる冬季大会が開催できるのか?
・考えるべきことはオリンピックの開催がスポーツ振興には繋がらないというデータがあること。国民のwell-being、健康で楽しめるスポーツの振興のための普及と環境整備が重要。
・日本全体が、スポーツは観るものとなってしまった。大会開催がスポーツ振興にはマイナスにはならないであろうが。

3.山下JOC会長の個人的なプーチン批判声明に関連して(自由意見交換)
・この個人的声明の発信に関して、「それだけ?」「今頃?」など批判的な感想が多い状況である。タイミングが悪い。
・JOC自体としてのステートメントは出されていない。(これは日本のスポーツ界全体に言えることではあるが、、。)
・「オリンピックは戦争を止める力があるのか?」というようなトーク企画があるが、その発想にも問題が。
・ロシア&ベラルーシ選手団の排除は国際水泳連盟も立場を変更した。ウィンブルドンは未決定(このコロキウムの後、AELTCは両国選手の排除の方針を打ち出したが、、。)
・条件つけて受け入れる方向も考えられる。

4.4月6日の「開発と平和のためのスポーツ国際デーIDSDP」関連
・4月6日は「開発と平和のためのスポーツ国際デーInternational Day of Sport for the Development and Peace (IDSDP)」でした。IOCはそのためのメッセージと動画を配信しました。その動画には、これまでのオリンピック開閉会式で歌われた『イマジン』の映像が編集されています。2024パリ大会組織委員会もイベント開催しました。
・残念なことに日本では何もイベントやメッセージが配信されませんでした。札幌冬季大会招致はニュースになっても、オリンピズムの究極的な目標である世界平和希求運動は全く理解されていないようです。
・何故4月6日なのかは、近代オリンピック大会の第1回である1896年アテネ大会の開会式の日だからです。
・参照:『オリンピズムの伝道館』「世界平和に向けたオリンピック・ムーブメント」の一例(逍遥=そぞろ歩記NO.19) https://sites.google.com/view/olympism-dendokan/ホーム/オリンピズムの伝道師の逍遥記そぞろ歩記#h.hpzcb6j9o8oo

Ⅱ.終了後は乾杯タイム。
・今回も、自由参加で様々な話題に対して自由に意見交換をしました。

 

第234回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2022年5月19日(木)18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:自由
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは特に定めません。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年5月16日(日)17:00

JOAコロキウム 第232回報告&第233回開催案内

第232回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年3月23日(水):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:8名
・テーマ:「2020年北京冬季大会を語る」他

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.「2022年北京冬季大会」関連(自由な意見交換)
・まだウクライナへの軍事侵攻前であったが、国連の事務総長の挨拶は素晴らしかった。しかし、ロシアの休戦決議破りの軍事侵攻後の国連の事務総長の対応はどうだろう?
・ウクライナ侵攻という世界の動向とオリンピックは連動している。ロシアと中国という拡大主義を続ける強権国家が2014年、2022年とオリンピックを開催した。ウクライナ侵攻はプーチンの保身以外の何物でもないが、オリンピックが強権国家でないと開催できないという現状が問題である。
・JOAの抗議声明が「オリンピック休戦決議違反」というスタンスであるが、それでは不十分である。スポーツ界は戦争を放置しておくべきではない。芸術界もスポーツ界も言論を武器にして、このロシアの蛮行に対応すべきである。
・日本も国民国家(ネイション・ステイト)としてオリンピックを利用した歴史がある。この傾向はEUの形成や拡大で変わっていくと想像していたが、今回ロシアは19世紀型の戦争を仕掛けた。今後どうなっていくか心配である。
・ロシアの選手達はオリンピズムやオリンピック・ムーブメントを学んだことがあるのか? 一応は2014年ソチ大会でオリンピック教育を展開してはいるが? ドーピング問題も改善されないなど課題が多いままである。
・IOCはIFや開催組織に対してロシア・ベラルーシの排除を勧告したが、国際水泳など足並みをそろえていない団体も。
・ロシアの水泳メダリストのリロフ選手はプーチンに利用された感もあるが、どういう考えによってモスクワで開催されたプーチンのクリミア併合8年記念式典に参加したのか?
・ワールド・ゲームスも緊急声明でロシア・ベラルーシの排除を決定。世界フライングディスク連盟は、選手には問題ないので戦争に反対すれば出場可という方針。
・2月24日のニュースでは、開戦前ではあるが、緊張関係にあったロシアとウクライナの選手が互いに称え合ってハグするニュースも報道された。
・今回のロシアの軍事侵攻への批判は正当なものではあるが、ロシアがここまで追い込まれたのは西側による排除が原因でもある。中国も途上国へのワクチン支援は西側が見捨てたために支援したのであり、片方にだけ肩入れする姿勢ではなく、バランスを取る必要がある。
・オリンピックは国際平和希求運動であり、そのため国際政治となる。そこで、スポーツの政治利用と政治貢献(国際平和構築への)とを区別すべきである。
・スポーツは文化活動の一つであり自己表現の一つ。大きな社会の中の一つとして他の政治活動などと共に社会を形成している。プーチン、習近平、キム・ジョンウンのようにスポーツを政治利用する人物も存在する。IOCのバッハ会長も自分の保身のためにオリンピックを支援する国に従うだけなのかも知れない。
・残念ながら、日本のスポーツ界には人がいない、としかいえない状況にある。
・1956年メルボルン大会時の戦争とオリンピックの関係で、IOCのブランデージ会長はどのような対応をしたのか?ロシアによるハンガリー侵攻とスエズ動乱のため、ボイコットする諸国が出る中で、IOCは会長として初めて「オリンピック休戦」を発動してハンガリー選手団のメルボルン参加を可能とした。大会後に選手達は亡命したが、、。
・IOCはこれまでの戦争時にオリンピックを中止した歴史があるのか? これまでの大会中止は組織委員会決定なのか? 中止決定の権限に関しては、IOC総会や理事会の議事録を確認しないと分からない疑問ではある。
・IOCはこのスポーツ界の分断した状況下で、次の対応をどうしようとしているのか? IF等に丸投げしているが、Next Stepが不明である。どうなれば、ロシア・ベラルーシの選手達は復帰できるのかなども不明である。
・FINAは両国を排除していないため、次の国際大会でアーティスティック・スイミングの競技が心配。世界1位のロシアと3位のウクライナのチームが同じプールで練習や競技ができるのであろうか?
・日本の若者たち、特にZ世代には全く響かないオリンピック・パラリンピックになってしまっている。彼らはSDGsなど、どう地球に貢献するのかなどへの関心はあるが、、。「東京2020大会」にも関心がない若者が多かった。これからの担い手達に響かないオリンピック・パラリンピックには持続可能性がない。自然消滅していく可能性もあろう。
・オリンピックだけでなく、スポーツ自体も響かなくなっている。「より速く・より高く・より強く」というモットーが示す成長神話が若者たちに無関心を形成しているのではないか?
・コロナ禍でメディアも大変であったようであるが、メディアが伝えなかった中で、北京大会の文化プログラムやオリンピック教育の実情が全く分からなかった。
・北京市以外の深圳や上海などではオリンピック・パラリンピックへの関心がなかったようである。マスコット人気も含め、オリンピック・ムーブメントも北京市内だけのようであった。「オリンピック休戦」決議提案国でもある中国では、「和平」は大切な概念のはずであろうが、、。

2.「2030年札幌冬季大会」の招致運動に関して
・札幌市内の様子の写真による招致運動の紹介(青柳会員)
・地下道の大型ポスターには羽生選手や高梨選手などの写真もあり、選手達が利用されている感もある。スローガンには「2030、人も街も次のステージへ」「目指せ2030! 感動を再び!」「届け、みんなの”想い” 2030年は君たちの番だ!!」など。子どもたちのメッセージも利用。バス停にも招致の大看板が!2014年ソチのパラリンピック閉会式の「I’m Possible」の写真も利用(ロシアのウクライナ侵攻後も使用するのか???)
・札幌市のwebsiteには、招致関連のイベントが目白押し。既定路線で進めている中、政府も積極的支援を表明した。
・意向調査は、いつ・誰に対して・どんな内容で聞くか、が重要。今回の調査結果で52%の賛成というが2014年調査からは18%減と大幅に反対意見が増えているが、住民投票はせず。国税投入にもかかわらず国民全体の意向は聞かず。
・都市のインフラ整備と観光開発、経済効果しか関心のない発展途上国型の招致計画。新しいオリンピック像などは皆無。
・大会理念を掲げるとなると都市開発などスポーツに関係のない事項が掲げられるのが常。建前的にならざるを得ない。
・オリンピック自体がどのような大会となるのか? 道民にとってのオリンピックとは? などオリンピックに特化した理念が必要。
・オリンピックを取り巻く環境はこれまでと全く異なって180度も違う方向に向かっている。そんな中、若手の研究者達には全く違った立脚点からオリンピック論を展開するように期待する、という声も。
・産業界は大変な事態に追い込まれることが予想される。そんな中、スポンサーがつくのか? 予算も気がかりである。
・北海道の過疎化現象が進行し、2001年頃から招致計画が展開されてきたが、住民投票は必要ないのか? 
・IOCのオリンピックの改革案である「2020+5」などの理念などを再確認すべきである。さらに、地球温暖化が進行する中、夏季大会の屋内種目を冬期に移行するなど、大胆なオリンピック改革が必要であろう。

Ⅱ.終了後は乾杯タイム
・今回も、自由参加で様々な話題に対して自由に意見交換をしました。

 

第233回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2022年4月20日(水)18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:「2020東京パラリンピック大会」公式記録映画他
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは特に定めません。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年4月17日(日)17:00

JOAコロキウム 第231回報告&第232回開催案内

第231回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年2月9日(水):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:13名
・テーマ:「2020年北京冬季大会を語る」

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.「2022年北京冬季大会」開会式のダイジェスト映像を観て開会式に関して
「NHK|2時間20分の式典が8分でわかるハイライト」映像を視聴
 https://www.youtube.com/watch?v=_myAvYtS3DA 
・象徴的放鳩の演出で迷子になった小さな子を連れ戻す大きな子どもという子どもたち2人のパフォーマンスの意味、最終聖火ランナーに無名のクロカン選手でウィグル族のイムラジャン選手を起用したことに対して、NHKのコメントが何もないこと、他会場の聖火台の様子に言及しないなど話題に。(舛本)
<以下自由な意見交換>
・盛り込みすぎで長かった東京大会に比べ、開会式全体が簡素化されて良かった。但し、入場行進順の原則は? 漢字の画数ということだが、、、? 東京大会でも北京大会でもROCを目立たせないような配慮が?
・両大会とも、入場行進への参加選手数が少なすぎる。
・北京大会の演出の方がオリンピックの理念を理解している。日本のメディアはメダル中心やデジタル技術賞賛のコメントばかり。プロの芸能人を使わず一般人や子どもたちを多く使った演出にもなっている。
・目立ったのは映像技術だけ。それしか見るべき物がなかったのでアナウンサーもそう言及せざるを得なくなるようだ。
・スポーツという大切なものが伝わってこない開会式であった。スポーツの祭典であるし、スポーツの素晴らしさが伝わらない開会式は残念。
・中国の現政権下で開かれるオリンピックには共感できない。
・アナウンサーには事前に開会式の演出シートが配布されるが、追加コメントにオリンピズムに言及するなどは語り手の教養次第。北京大会の演出家の文学的教養には感服し、東京大会との演出家の差が出た開会式。
・HNKアナが最終聖火ランナーの名前を見てウィグル族かどうか調べなかったのは、リサーチャー、アナ、ディレクターの仕事の不十分さが原因であろう。

2.「オリンピック休戦」関連
・アメリカのブリンケン国務長官が「オリンピック休戦」に言及したのは評価できる。
・オリンピック自体が紛争の導火線となっている、国際政治の裂け目、「オリンピック休戦」が有名無実となっているという毎日新聞の「時代の風」という連載の中西寛京大教授のコメントがある。オリンピックの在り方を真っ直ぐ見据え、一から考え直すことから再スタートすべき。
参考:「2022年北京大会」関係の「オリンピック休戦」については、『オリンピズムの伝道館』の「オリンピズムの伝道師の逍遥記(そぞろ歩記)NO.9」を参照下さい。(JOAコロキウムの配付資料の一つです。)この制度の詳しい内容についてはあまり知られていないようですね。
https://sites.google.com/view/olympism-dendokan/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%BC%9D%E9%81%93%E5%B8%AB%E3%81%AE%E9%80%8D%E9%81%A5%E8%A8%98%E3%81%9D%E3%81%9E%E3%82%8D%E6%AD%A9%E8%A8%98#h.6wxyeg6muce
 また、追加資料です:「東京2020大会」の「オリンピック休戦」関係は、黒須朱莉さん(JOA会員)が『2020+1東京大会を考える』メディアパル、2022年、pp.145-161に詳しく書いてくれています。

3.北京冬季大会を巡って意見交換
・最新技術の映像技術から、e-スポーツ(舛本注:IOCはこの言葉は使用しません。ヴァーチャル・スポーツという語を使用して区別している)の意義も考えられる。イデオロギーを超えて時代を変えつつある。
・北京のマスコット「ビンドゥンドゥン」人気が伝えられるが、東京大会でもマスコットの売れ残りやフードロスなどあったように、北京大会のSDGsがどうなのか関心がある。
・開会式の選手団参加状況に対して、JOCのオリンピアンへの教育はどうなっているのか?山下会長はスポーツ・フォア・オールにオリンピアンが関わることには関心があるようだが。補足意見として、JOAメンバーの來田、田原会員がオリンピアンへの教育をJOCの研修会などで行ってはいるが、きちんと浸透しているのかどうかは?
・実際にはオリンピズムは理解している選手も多いのだが、開会式を軽んずるのはコーチ陣の勝利至上主義のせいでもある。開会式に参加するなと言う指導者もいるし、ボランティアやフィランソロピーなど無関心な人も。余分なことをすると代表を外すと脅されるような例もあるとされる。
・選手にとっては、競技の最大の目的はパフォーマンスである。オリンピズムを理解していれば申し分ないが、我々傍観者が選手を責めるのは問題であろう。選手達は他人ではできないことをし、オリンピックの素晴らしい場に立っている。他人が諭すのではなく、メダルだけではないことは、選手達が自分自身で感じ取って理解し、自分自身の行動を取って欲しい。そのためには、まずは選手達が社会に向けて発信することから始める必要がある。
・IOAPAの開会式に合わせたオンラインミーティングでは元オリンピアン2名も参加。開会式をテーマにするのではなかったが、オリンピアンとしての大変さや苦労話など貴重な体感を聞くことができた。
・「2030年札幌冬季大会」招致活動を止めるとしたら今しかない。このままでの開催が良いとは思わないが、札幌大会を自分の目で見てみたい気もある。今年中に決定する可能性もあろう。選手村、そり競技、スピードスケート、アルペン会場など会場立地上、多くの問題が残っているが、IOCは札幌しか開催できないと考えている感もあるようだ。市民アンケートも道民や札幌市民だけでなく、もっと幅広く集約すべきであろう。
・札幌招致関連では、大会開催理念不在。東京大会の「復興五輪」のテーマもずれてきていた。日本の文化、観光、技術が中心になり、原子力村の思うつぼになった。
・北京大会では、平昌大会や東京大会と異なり人権プロテストが見られない。HRWは選手達に帰国してから抗議するよう勧告しているのも奇妙な話。ウクライナ情勢も大変であるが、ROCの選手達が活躍を許しているのもおかしい。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/3e2f6068cd53c7fdd9df8f5de186f888293ec29e
「北京五輪で人権問題巡る発言自粛を、選手に専門家が警告 」(REUTER 1/19(水) 8:16配信)
・山下JOC会長が柔道の関係でプーチン大統領とは忌憚ない意見交換ができる立場にある。何とかならないのか?
・日本のテレビや新聞では「中国が敵」のような論調が多いが、アメリカ自体にも人権侵害や食料の日本輸入品などの生活レベルで様々な問題がある。アメリカ一強を阻止するために中国は多様性を尊重する存在、という考え方もある。
・日本は、中国とは隣国としての立ち位置も大切にすべき。日本の人権問題もあるがアメリカとの立ち位置が平板すぎる。メディアによってコントロールされていることの怖さも感じる。
・北京大会の開会式は手話通訳のあるEテレで視聴した。東京2020大会がレガシーとする「共生社会」を大切にしたい。
・Number誌の伊藤みき(JOA会員)氏の堀島選手へのコメントの紹介。(補足:2人とも來田チルドレンです!)
参考: https://number.bunshun.jp/articles/-/851972
・日本選手には政治経済などに対して発言しないナイーブな選手が多い。北方領土問題に関する猪谷千春氏(JOA最高顧問)の姿勢もしかり。
・海外のアスリートは発言し、ボランティアにも積極的に参加する。日本の選手達は諦めているし、長いものに巻かれろ、体制側に付いているのが得という考えが見受けられる。有森、為末の両氏などごく一部の人が発信しているだけ。また、そのように教育されている。またそれは、学校体育からの弊害でもある。今後スポーツが地域に開放されていくことになるが、成果が見られるには100年かかるのかも。
・北京大会での彭帥選手問題が気がかり。IOCバッハ会長の動きは歯切れが悪い。WTAと違う対応。注視すべき。

Ⅱ.終了後は乾杯タイム。
・今回も、自由参加で様々な話題に自由に意見交換をしました。2月11日金曜ロードショーで『クール・ランニング』の上映予告も話題に。

 

第232回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2022年3月23日(水)18:00-20:00(第3水曜日ではありません。ご注意下さい。)
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:「2022北京冬季大会」関連(パラリンピックも含めて)
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは「2022北京冬季大会を語る」とします。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年3月20日(日)17:00

JOAコロキウム 第230回報告&第231回開催案内

第230回JOAコロキウム開催報告

・日 時:2022年1月20日(木):18:00-20:00
・場 所:Online Zoom会議
・参加者:11名
・テーマ:「東京2020大会」を振り返る:
     「オリンピズム」のスポーツ、文化、環境、平和運動の側面から

Ⅰ.情報提供と意見交換
1.「東京2020大会」の文化プログラム
東京2020「Olympic Agora」の紹介映像:”First Olympic Agora at Tokyo 2020: A confluence of art, culture, sport” https://www.youtube.com/watch?v=wrTOO1R906Q北京大会でも実施予定(舛本)

2.「東京2020大会」を振り返る:オリンピズムの「平和運動」の側面から(情報提供 by 野上委員)
<情報提供の概要:文責舛本>
・「東京2020大会」のために実施された平和運動には、オリンピック休戦決議、聖火リレー、開・閉会式でのメッセージ発信、PEACE ORIZURU、難民選手団編成、オリンピック休戦の壁画サイン、国連のSDGs連携など、数多くあるが、すべて必要なのか? IOCが求める平和貢献とはなんであったのか? 東京大会では見えてこなかった。
・コロナ禍で、「安心・安全な大会」とはほど遠い状況のもと、「開催すべきではない」という民意を無視し、「とにかく開催する」という独裁政治のような対応の仕方は問題であった。
・女性蔑視発言、障がい者への差別発言、ホロコーストに対する不適切発言など、日本の人権意識の低さを露呈し、開催国としてオリンピズムを体現するという意識とその準備不足が深刻な状況を引き起こした。
・これらの問題は、SNSで過去の問題発言を掘り起こすオリンピック反対派によるあら探しだけでなく、「日本社会全体の人権軽視」という病理を象徴したものである。
・日本の歴史教育では、知識を教えてもそれが現代社会でどういう意味を持つかを導くまでには至っていない、という問題指摘と、日本ではホロコーストや人権問題への認識が甘く、起こるべくして起きた問題という識者の意見の紹介。

〇総括:
①そもそも「オリンピック休戦」は周知されていたのか?オリンピック開催に伴って何故休戦期間を設けなければならないのか?それは現代社会に戦争の悲劇を二度と繰り返してはならないという観点からである。
②オリンピックの場で、何故人権尊重しなければならないのか?多様性とは何か?それは現代スポーツにおける公平性、平等、自由を求めていくという観点から必要である。
③オリンピックでは平和運動を多く展開する必要はない。色々手を付けすぎて経費や人の能力を多く使うことになる。
④結論:オリンピックの平和運動は、オリンピックの歴史認識だけではなく、起きた出来事に焦点を当て、その歴史が現代社会においてどのような意味を持つのかを子どもたちに学ぶ機会にすべき。

<Q&Aおよび参加者によるコメント>
・Q1:「国際赤十字は関連者も含め4回もノーベル平和賞を受賞しているのに、IOCは何故受賞できないのか?また、IOCが平和を主張するのはいつ頃からなのか?」
Ans&補足:名目だけの平和運動でその実は金儲け団体に成り下がっているからである(ノーベル平和賞の受賞を希望はしているが…)。平和希求はIOC設立時のクーベルタンが主張してきているが、憲章では1908年から。

・Q2:「オリンピックの平和という建前を背負わせても意味がない。建前は不要で、オリンピックらしいオリンピックとは?世界中が賛同するようなオリンピック大会がどうあるべきかを真剣に考えるべきである」
Ans:オリンピックが力を持っている。光と影の両面があるが、今は陰の面ばかりが多く出ている。
・ノーベル平和賞を受賞できないのは、IOCが自分達の保身と利益しか考えていないから。オリンピックを存続させることしか考えていないため、現在ではロシアや中国にすり寄っている。また、ビジネスコンテンツに成り下がり、国威発揚、巨大化・肥大化し、大都市や強権的な国しか開催できなくなっている。
・IOCに揺さぶりを掛ける必要があるが、アスリート達には訴える力がなくなってしまい、民主国家ではオリンピックを開催できなくなってしまった。
・バッハ体制は批判されるべきである。特に国際政治への対応が不十分である。5年前には南北朝鮮合同チームを編成させたが、今回の北京大会では何も行動していない。また、ロシアとウクライナ問題にも何も対応できていない。2014年のソチ大会のクリミア半島に侵攻して併合した時にも何もできてはいないが、、、。
Ans:国と国との関係が前面に出すぎである。スポーツの祭典であり、国が全面的に出てくることは問題である。
・オリンピックは国の所管ではないはず。NGO団体であるはずのIOCは市民団体であるはず。市民の会費制で組織運営すればIOCは自由がきくはず。
・オリンピックを支えるのは私たちファンであるはず。オリンピックを愛好するものの願い。国の巨額予算に頼らざるを得ない現状が問題。夢物語ではなくクラウドファンディングなどで開催できるようになると良い。

・Q3:旧ユーゴスラビアの内戦時のIOCの対応は?
Ans&補足:IOCによる国連の働きかけによって、ボスニアヘルツェゴビナや旧ユーゴ圏の選手団が1992年バルセロナ大会に参加できる道を開いた。これが近代オリンピックでのIOCの「オリンピック休戦」の始まりとされる。
・IOCは「クーベルタン賞」を設置してオリンピックにおける平和運動面で貢献した人を表彰すべき。
・国旗が政治的に利用されている現実がある。一例として、「東京2020大会」ではアフガニスタンの国旗使用に関して問題があった。Enlighted nationalism(洗練されたナショナリズム)という視点が重要である。因みに、過去にも国旗や国歌を用いない方式が検討されてきてはいるが、、、。
・「特に、個人競技では国旗を掲揚することには反対である」という意見も出された。選手団の旗にするかNOC旗にするか? など国旗使用に関しては課題がある。
・nation state国民国家が成り立たなくなっている現実がある。さらにオリンピック・パラリンピックが利用されている感がある。物事には表裏があるはず。異文化交流や国際交流をどう展開するか? 特に今大会ではコロナ禍のため無観客方針などで大会中にできなかったことを今後どう展開できるかなど重要な視点である。
・もし「オリンピック・パラリンピック人権共同コミュニケ」が発信でき、それで中国に働きかけていたらどうなっていたであろうか?「平和の権利」というものを未来の人権として議論中であるが、、。
・オリンピックには複雑な問題があること、しかもステークホルダー毎に問題が違うこと。その中で、IOCがすべき平和貢献とは何か?IOCは如何にあるべきか? 誰にどのような責任があるのか? など難しい問題である。
・「積極的平和」の立場から「2022北京冬季大会」で臨むと危険である。特に新疆ウィグルの問題で抗議するとリスクあり。平和運動VS政治問題の対立もある。
・ジェノサイドであると主張する一方で、選手達に箝口令を敷くとなれば、一体何のためのオリンピックか?という意見も。
・電通問題ややりがい搾取などとの批判がある中で、何故ボランティアするのかなどの声もあったが、複雑な思いで大会に関わった。2001年の秋田のWorld Gamesでは大会事務局が国別のメダル数を発表するようになり、さらにオリンピックでも、「東京2020大会」ではIOCの憲章改正で国別メダルカウント数を公表することに変わってしまった。

・(以下、舛本の私見)
①オリンピックと他の国際スポーツ大会の違いは何か?そこをしっかり確認する必要がある。スポーツをすれば平和構築の目的を達成できるわけではない。オリンピックでの様々なイベントやプログラムは平和を志向するものである。
②「オリンピック休戦」への十分な理解は?国連とIOCが連携して、ただ単に戦争や紛争がない状態以上の、人権保護やSDGs連携、差別撤廃など、「積極的平和」と同様な活動を志向し、国連加盟国にそれを求めているのであるが、、。

3.選手による抗議のリスク報道の紹介
「2022北京冬季大会」で人権侵害などに選手達がプロテストすると処罰される危険があるのでしないように!報道
1.https://www.infobae.com/aroundtherings/articles/2022/01/19/athletes-advised-to-remain-silent-on-human-rights-as-beijing-2022-warns-against-behavior-counter-to-the-olympic-charter/
Athletes advised to remain silent on human rights as Beijing 2022 warns against behavior counter to the Olympic Charter(ATR January 19, 2022)

 2.https://news.yahoo.co.jp/articles/3e2f6068cd53c7fdd9df8f5de186f888293ec29e
北京五輪で人権問題巡る発言自粛を、選手に専門家が警告 (REUTER 1/19(水) 8:16配信)

 

第231回JOAコロキウム開催案内

・日 時:2022年2月9日(水)18:00-20:00(第3水曜日ではありません。ご注意下さい。)
・場 所:Online Zoom会議
・中心テーマ:「2022北京冬季大会」関連
・その他の内容:
①オリンピック・パラリンピック関連情報の提供(各自、何かあればPC上で共有できますので、ご準備ください。)
②意見交換:今回の共通テーマは「東京2020大会」「2022北京冬季大会」「2030札幌冬季大会招致」などとします。参加者の皆様から何かご希望があればお寄せ下さい!
③映像共有:何か時間があれば考えます。YouTube上でも探せます。ご希望があれば考慮します。
④残り時間:フリーディスカス。
⑤終了後:online乾杯など自由に!

〇定 員:15名程度
(但し事前登録制:参加予定の方には、後日Zoomへの招待とID、PW、URLをお送りします)
〇会 費:無料 (Zoom利用の経費はJOA負担です)
〇情報交換会:(ドリンクは各自で準備してください)
☆入室・退室は自由です!
☆通信環境の状況次第によっては、入室できない、あるいは中断する可能性もあります。どうぞご理解ください。

◎申込先:JOAコロキウム申し込みサイト:
joa_colloquium*olympic-academy.jp(*は小文字の@に)
☆ただし、このJOAメルマガに直接の返信は避けてください。対応できません!

◎申込み締め切り:
    2022年2月6日(月)17:00